第十二話 使徒の誤算
[10/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
てるんだろう。」
「あっ…。」
『ツムグ〜〜。う〜、ん? だぁれ?』
「なんだ? 様子がおかしいぞ?」
『えっ? ほんとう? ツムグだいじょうぶ? ほんとにほんとに? うん。分かった。』
機龍フィアがキョロキョロと首を振りながら誰かと会話をし、やがて大人しくなった。
自我が芽生えたことで勝手に動いていた機龍フィアが大人しくなったため、その隙にと回収することになった。
暴れるかと思われたが、嘘みたいに大人しかった。
後で分かったことだが、機龍フィアに話しかけて大人しくするよう説得したのは、尾崎だった。テレパシーを使ったらしい。
機龍フィアが回収されるのと同時に、問題の尾崎の方も回収となった。
微生物の使徒に侵されている可能性に、尾崎と親しい者達は不安の色を浮かべた。
***
「……ん?」
ツムグが目を覚まして最初に目にしたのは、手術室の強烈なライトだった。
「やっとお目覚めか。」
「おはよ〜。」
頭がまだボーっとするが、目をこすりながらツムグは、起き上がった。
マスクをして白衣を着た自分の管理者の一人がカルテを片手に持って立っている。
「脳の活動は若干にぶいが、事情聴取だ。」
「大丈夫。大体把握してるから。」
寝たままヒラヒラ手を振ると管理者は呆れたように息を吐いた。
それからは使徒サハクィエルが殲滅された直後に機龍フィアをなぜ飛ばしたのか。いつ使徒イロウルにやられてしまったのか。硬質な繭みたいに変化したイロウルに強制的に眠らされていた状態についてなどを話した。
「普通なら脳死ししているか、脳に重大なダメージを受けるがな。G細胞の力だな。」
「尾崎ちゃんは?」
「…なぜおまえが知っている?」
「夢の中で尾崎ちゃんと会った。」
「そうか…。おまえには説明が必要ないな。」
「自分でも便利だなぁって思うよ。でさ、尾崎ちゃんの様子は?」
「かなり参っているみたいだ。無理もない。いまだに得体のしれない化け物に身体を侵されているかもしれないからな。」
「検査中ってこと?」
「今回の使徒は微生物だ。少しでも残っていたら復活する可能性が高いからな。」
「その心配はないよ〜。」
「はっ?」
ツムグは、むくりと起き上がり、ニッと笑った。
「尾崎ちゃんのところ、連れてって。」
そう言われて管理者の一人は、言葉を失った。
***
科学研究が行われたり、検査といったことも行われる特別な実験所がある。
恐らく世界で1、2を争う防護、防菌の場所であろう。
怪獣がいた頃からフル稼働のそこに、尾崎はいた。
正確には…、監禁さ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ