第十二話 使徒の誤算
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はずだ。パイロットが操縦席から外に向かって声を向けることはあれど。
いきなり子供の声を発したことは、機龍フィアの開発に関わった科学者達や技術者達を混乱させた。
ゴジラもちょっとびっくりしていた。
『バカバカバカ!! いっつもゴジラ、ゴジラって! ツムグのバカ!』
操縦席にいるツムグに向かって怒鳴っている。
『ツムグは、“ふぃあ”のだもん! “ふぃあ”のだもん! ゴジラのじゃないもん!』
「…微妙に発音が……。」
「科学部からの報告で、音声の解析結果、平仮名で“ふぃあ”って言っているとのことです。」
「機龍“フィア”だから、“ふぃあ”なのか?」
「つまりあの声は機龍フィアのDNAコンピュータということか。」
「自我意識が芽生えただと? それじゃあ3式と同じ…。」
「いやいやいやいや、3式機龍とは明らかに違いますって! 資料で見てますけどあんなんじゃなかったですって。」
『あげないもん! あげないもん! ツムグは、あげないもん!』
「椎堂ツムグが好きなんだな…。」
「あいつの遺伝子細胞から発生した意識なら普通なんじゃないか?」
「ハハッ、あいつモテんじゃねーか。」
「違うと思うぞ!? むしろ兄弟とかそんな感覚だと思うぞ!?」
「司令部はさぞかし大騒ぎだろうな…。」
「そうでしょうね…。」
「あっ」
前線部隊が基地にいる司令部の混乱を心配していると、事は動いた。
黙って叩かれていたゴジラは、我慢の限界をむかえたのか呆れたのか、機龍フィアを強烈な張り手で倒すとくるりと背中を向けて海の方へ去っていった。
「帰りましたね…。」
「使徒もいなくなったしな…。」
「喉の怪我も治り切っていないようだし、無理して来たってのもありそうだな。」
『ウゥ〜〜、ツムグ、起きてよ〜!』
「って、あいつ(ツムグ)起きてないのか!?」
「そもそも意識がなくなっていたなんて初耳だぞ!」
「仕方ないだろ、内部の情報が入ってこなかったんだから…。」
「どーすんだ、これから? 司令部からの指示はまだか?」
「仕方ない。俺達は俺達でできることをやればいいだろ。」
「それもそうだな。」
「尾崎少尉が見つかりました!」
「そうか! ん? 何かあったのか?」
「それが……、数十キロ離れたところからテレパスで近寄るなと言っていて…。」
「? ……まさか。科学部に指示を仰げ! 全軍に伝達、尾崎をSS級危険物として警戒しろ!」
「は、はい!」
「どーした熊坂!?」
「使徒につかれてた機龍フィアに直接触ったんだ…。発信機が途中で途切れたのは使徒に捕まったか何かされたに違いない。あいつのことだ…、それに気付いて味方に近寄らないようにし
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