第十二話 使徒の誤算
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みグリングリンと右に左に、事前に頭に記録させられたマニュアルに従い回転させる。
最後にグリッと押し込んだ時、リミッター解除装置が四角い枠ごと爆発した。その衝撃で尾崎の身体は、宙に投げ出され、機龍フィアの首筋から落下した。
尾崎は身を捻り、ゴジラに掴みかかられている機龍フィアにぶつからないように、そして潰されないよう着地点に気を付けて落ちていった。
リミッター解除装置があった場所から蒸気が漏れ、やがて鈍い灰色の背骨が朱色っぽい明るい赤い色に染まりだした。
その色は機龍フィアの全身に広がっていた青白い血管のような色を塗りつぶすように広がっていき、鼓膜を刺すような甲高い悲鳴が木霊した。
すると機龍フィアの両腕の付け根から青白いアメーバのように機龍フィアから分離していく使徒イロウルが出現した。
イロウルは、G細胞完全適応者の細胞の活性化で焼かれてしまいそうなってよっぽど慌てたのか、よりにもよってゴジラの方へ出てきてしまった。
ゴジラは、機龍フィアから手を離すと、アメーバ状のイロウルに手を伸ばす。しかし、イロウルは、端から火が灯り、ジワジワと燃えていってしまった。
静かに燃え尽き、使徒イロウルは死んだ。
「パターン青。消滅…。」
「勝った…のか?」
微生物の集まりの使徒が死んだという反応が確認されても全く安心できなかった。
なにせ微生物。一つ一つがコアを持つ使徒と判明してしまったことが大きい。
だから油断できない。
イロウルが殲滅されたという報告がされても、緊張は解けれない。
そんな中、ゴジラが雄叫びを上げた。
喉がやっと治ったらしい。完治とは言い難いがそれでも鳴き声を出せるほどには回復したようだ。
だがその直後。
機龍フィアに、ゴジラは、ビンタ、された。
しかもビンタの強さは、ぺちんっという程度である。
ゴジラも、地球防衛軍もみんなポカーンである。
しかしすぐに我に返ったゴジラは、怒りを露わにして機龍フィアに殴りかかろうとしたが、それよりも早く機龍フィアが両腕を上から下へ振り上げゴジラを殴打した。傍から見ると、それは子供が駄々をこねて両手を振り回すそれだ。
機龍フィアが爆発させられそうになった危機を脱したはいいが、今度は機龍フィアに起こった別の異変で地球防衛軍は慌てた。
連続で叩いてる割にはダメージはとても低いらしく、ゴジラは、なんなんだ?っという感じに眉間を寄せている。
その時。
『ツムグのバカーーーー!』
「喋った!?」
電子音混じりの子供のような声が機龍フィアから出た。
口が動いているわけじゃないのでスピーカーか何かから出ているのだろうが、喋れるようにしてはいなかった
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