第十二話 使徒の誤算
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-----------バカ----…
「えっ? 馬鹿って…、何事? っていうかこの声誰!? 子供?」
-----! バカバカバカバカ!!
「連呼された!」
ツムグの……、バカーーーー!
そう叫ぶ声が響き渡ったと同時に、ツムグの足の下の方から銀色と赤の巨大な物体の頭部が浮上してきた。
「あーー! ごめんねーーーー!」
浮上してきた機龍フィアの頭に吹っ飛ばされて、ツムグは、暗黒空間の彼方へ飛んでいった。
ツムグがいなくなったあと、暗黒から頭を出した機龍フィアが、くるりと後ろにいる使徒の方を見た。
そしてガバッと口を開けた。残し少ない使徒の粒はすべて機龍フィアの口の陰に覆われた。
さっき尾崎にやられた痛みにのたうっていた使徒は、機龍フィアの口に気付いた時には、機龍フィアの口が閉じられる直前だった。
口が閉まる、直前で気付いたことと、使徒自体が粒々だったので、折角残っていた量の4分の3を失いながら残り4分の1が命からがらという状態でこの空間から逃げていった。
ガジガジと使徒を噛み砕く動きをしていた機龍フィアは、やがて怒りが収まらないという風に苛立った雄叫びをあげた。
***
千切れかけていた両腕はバチバチと火花を散らしていたが、機龍フィアがゴジラから少し距離を取った途端に赤黒い粘土のようなものが千切れかけてむき出しになった骨の部位から溢れ出て千切れかけていた腕の他の部分にくっつき、腕をもとの位置に戻して装甲までは治ってないがそれでも両腕が修復された。
腕が千切れそうになった分だけ離れていた距離が縮まり、機龍フィアの顔とゴジラの顔がくっちきそうなほど近づいた。
ゴジラは、忌々しそうに口の端を歪めた。
「な…、何が?」
「動力炉の温度上昇が止まりました!」
「温度が低下しています! 安全値まであと5分!」
「とりあえず危機は脱したらしいな。」
機龍フィアからは温度上昇による湯気がもうもうと出ている。
「いやいや、別の危機が起こっていますよ?」
「本部からの伝達! 科学部での観測によると機龍フィアのDNAコンピュータの活性率が300を突破!」
「なんだそりゃ!?」
「機龍フィアの背中側、首付近に高いP・K(超能力)反応有り! 信号を確認! 尾崎少尉です!」
「生きていたか!」
機龍フィアの変化により、使徒イロウルに飲み込まれていた尾崎が解放された。
繭のような球体が破れ、そこから飛び出した尾崎は、機龍フィアの首筋を横走りしリミッター解除装置に近づいた。
そこからは目にも留まらぬ速さとはこのことという速さで尾崎はハッチを壊すように開け、中にある回転型のスイッチを掴
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