第十二話 使徒の誤算
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気のような光がスパークし、ゴジラに似た、けれど機械から発せられる雄叫びみたいな声が響き渡った。
現実世界では、機龍フィアが顎の関節を引きちぎるほど大きく口を開けて電子音交じりの雄叫びを上げていた。
機龍フィアの両腕を引きちぎろうと踏ん張っていたゴジラは咄嗟に止まるし、地球防衛軍側もいきなりのことに固まらざるおえなかった。
***
白っぽいヒビが入った暗黒の空間に、ニョキッと手が伸びた。
「ブハッ!」
暗黒空間にできたヒビから這い出てきたツムグは、ゲホゲホとむせた。
「で、溺死とか…。昔さんざんやられたことだし。結局、細胞が適応して無酸素状態でも平気になっちゃったけど。ま、いいや。それにしても尾崎ちゃんとあんなところで会うなんて…、使徒ちゃんも何考えてんだか…。」
咽た時に出た唾を口元を手で拭うと、後ろに振り返った。
青白い光の粒が宙を舞っている。だが初めに遭遇したものよりも明らかに量が少なく、動きにも元気がないように見える。
「尾崎ちゃんの一撃は効いた? 痛いでしょ〜?」
ツムグは、腰に手を当て、にや〜っと笑って使徒を見上げた。
使徒はそのの言葉を聞いて悔しいのか、それともわけが分からないと混乱しているのか、どちらとも取れる動きを見せる
「アホだな〜。っていうか、なんで尾崎ちゃんを喰おうとしたわけ?」
それを見てツムグは、呆れた笑みを浮かべながらそう言うが使徒から返事はない。
使徒は、もう放っておいていいと考えたツムグは、顎に手を当て、ここから脱出することを考えた。
しかし使徒から受けた封じが思っていた以上に作用しており、ドつぼにはまっていて、肉体の方に帰ることが難しいことに気付いた。
自力で脱出となると脳の活動を止めている部分。ヘルメットに繋がっている管とコードに浸食している使徒の変異(脳の活動を止めるための物なので使徒とは別物化している)を取り除くか、あるいは、死にそうになるほどダメージを受けて死から再生するときの一時的な細胞のエネルギーの増加で活動を止めている部位も活性化させるか。
思いついて、ツムグは、肩を落とした。
「どっちも第三者がいなきゃできないじゃん! うわ〜、まさかこんなドつぼにはまるなんて俺、どんだけ油断してたの!? 誰かに助けてもらいたくても俺の身体、機龍フィアちゃんのコックピットの中だし!? ……もう過去は戻らない。どーしようか…。ホントにどーしよう、十五年ぶりにヤバいって状況だよ!」
両手を両頬にあてて顔を青くして叫ぶツムグ。普段の彼を知っている者達のほとんどが見たことがない慌てぶりである。
ツムグが焦っていると。
-------ムグ------…
「ん?」
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