第十二話 使徒の誤算
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。さすがに無理がたたってたと思うよ? でさ、もし尾崎の中に使徒が残ってたら俺の血を触ったら大ごとだ。残ってなかったらなんともない。簡単でしょ?」
「…うーん。」
「グダグダ考えてもここから出られないよ?」
「いや…その…、ツムグの血って、死ぬんじゃなかったか?」
「あれは体内に入れた場合。注射しなけりゃ大丈夫! …な、はず。」
「不安になるだろ!」
「触っただけでダメなら、あの虫みたいな形した使徒の時に大変だったって!」
使徒マトリエル襲来時に、ツムグは、内臓から出血して吐血した。更にそのままゴジラと戦ったため操縦席は血塗れになった。いや、床が血の海なので開けた瞬間に…。
「あっ、そうか。」
「で、やる? やらない? 美雪ちゃんと一生はなればな…。」
「やるに決まっているだろう!」
「良い返事。さっ、グッと。」
そうして、尾崎はツムグの血の付いた方の手を握った。
握って…、1分後。
『パターン青。確認できません。尾崎少尉の解放を承認します。』
っという、放送が聞こえ、部屋の鍵が開いた音がした。
「おめでとう、尾崎。晴れて自由の身だ…って、早っ。」
ツムグが言うが早いか、尾崎はすぐさま部屋から飛び出し、外にいた音無を抱きしめた。
ツムグは、その様子を見てから部屋から出ていき、二人を残して去っていった。
監視カメラで様子を見ていた側も外で待機していた側も赤面する甘い空気がたちこめていたが、このまま放っておくわけにいかないで、二人に話しかけ、実験室からの退出となった。
実験所の外で尾崎を出迎えたのは、M機関の仲間で、その中でジトッと見てくる風間がいたので心配をかけたことを話しかけようとしたら、まず拳が飛んできた。そのまま掴みかかられそうになったので仲間達が風間を抑えて、音無が間に入って、熊坂が落ち着けとチョップ入れたりしてなんやかんやあったが無事に戻ってこれたことを祝福されているのは嫌でも分かったので尾崎は涙した。
尾崎に泣かれて風間はプイッとそっぷを向いた。
それから、無事に戻ってこれたことを祝われて落ち着いてから言われた。
「戻る前にあの子らにも顔を見せとけ。」
「えっ?」
「シンジ君達の事よ。みんな心配してたんだから。」
「泣きつかれて面倒だったんだぞ。」
「すまない…。」
尾崎が大変だったことは、シンジ達にも伝わっていた。ただし詳細は明かされず、ただ二度と会えない可能性があることを遠回しに言われ情緒不安定になったシンジが泣き出してしまったのである。
本人は自覚なく尾崎を心の支えにしていたために不安定になり、泣き出してしまった彼を宥めようとした者達の声を聞いた途端、声を上げて泣くという事態にもなってしまい、尾崎の
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