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ゴジラ対エヴァンゲリオン(仮)
第十二話  使徒の誤算
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のだった。
 セキュリティ厳重で病原菌が入るのも困難な場所に音もなく入り込んだツムグの異常さは狂気の域だということらしい。
「今思うとツムグのおかげだったんだな…。」
 結局は今逆戻りしているが、子供時代に出ることができたのはツムグのおかげだったのだと今更ながら思う。
 あとで聞いた話だが、殺そうとしたのは単なるパフォーマンスであり、本気ではなかったらしい。なにせその後も遊びと称した突然のバトルを持ち込んできたり、覗きや盗聴の常習犯だったりして、もういちいち気にしてたらやってられないと周りの空気もありいつの間にか慣れてしまったのである。
 そういえばツムグは、今どうしているだろうとも考えていると、実験室の窓を叩く音がした。
 顔を上げて窓を見て、尾崎は目を見開いてすぐに立ち上がった。
「美雪!」
 手足の先まで防護服で覆われているので人相が分かり辛いが一目で音無であることが分かった。
 窓に手を添えると、その手に重ねるように音無が窓の外から手を添えてきた。
 口が動いているが音は聞こえない。
 尾崎は、胸をえぐられるような申し訳なさを感じて胸を抑えた。
「ごめん。心配かけて。」
 彼女の泣きそうな顔に今すぐに彼女を抱きしめたいのを堪える。
 自分の体の中にはまだあの使徒が潜んでいるかもしれない。使徒がもういないことがはっきりするまで外に出るのは不可能だろう。
 もしかしたら一生…。その考えが過って尾崎は絶望した。
 が、その時。
「それはない。それはないから。」
 後ろからポンッと誰かに肩を叩かれた。
 …昔、同じことがあったような…。
「で、デジャヴ?」
「空気ぶっ壊して悪いけど、手っ取り早く、ね?」
「どうやって入ってきたんだ!?」
 慌ててツムグから距離を取る尾崎。窓の向こうにいる音無も驚愕している。シリアスの空気どこ行った?
「気にしない気にしない。」
 ツムグは、笑う。
 おかしい…、あの一件からセキュリティは強化されてツムグでも入り込めないようされていたはずだが…。
 ツムグは、右手を前に出して、グッと拳を握った。すると拳から血が垂れた。
「今から証明するから観察よろしく。」
 宙を見上げて、恐らくここの管理者達や研究者、そして事を観察していた上層部の人間達に向かって言った。
「しょうめい?」
「ようは使徒が残ってなければいいってことでしょ? 今から俺と握手して。こっちの血の付いた方で。」
「それで分かるのか?」
「なぜか知らないけど、使徒はG細胞に触ると火傷しちゃうんだよ。機龍フィアにとりついてた使徒もね、体を焼きながら耐えて耐えてたわけ。かなりしんどかったはずだよ。あれって微生物だからなんとかなってたんだろうけど
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