第十二話 使徒の誤算
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機龍フィアの暴走。
その原因が使徒に乗っ取られたこと。
使徒の正体がナノサイズの微生物の集まりであること。
微生物と分かった時、使徒が機龍フィア以外に広がっている可能性が疑われた。
機龍フィアにいる使徒が他の箇所に増殖しているとなれば、機龍フィアについているのを駆除しても意味がない。即座に機龍フィアを輸送していたしらさぎは勿論、機龍フィアが暴走してしらさぎから落ちる直後までの航路も調べることになる。
しらさぎは、機龍フィアを運ぶ時のハンガーが半分の位置ぐらいで千切れていた。よく調べてみると千切れた面が溶けていた。
防菌・防毒・防放射能装備フルで、でも相手はいまだに未知の敵だから万が一のことがありうる覚悟を決めた調査員が…拍子抜けするほどしらさぎには使徒の痕跡はなく、ハンガーが壊れたこと以外は至って安全だった。
なので科学部からの結論は、機龍フィア内部にいる使徒は、機龍フィアにとりつくのに成功したものの代償として機龍フィアの外ではすぐに死滅してしまうほど脆弱になってしまったということである。
それを裏付けるものとして。
機龍フィアの両掌に即席のコアっぽい球体のようなものが見つかった。
あと、ゴジラがそれを知ってか知らずか、機龍フィアの両腕を掴んで片足で機龍フィアの腹を押して、両腕を引きちぎろうとしていた…。
凄まじい怪力で引っ張られることで、ゴジラとまともにプロレスができる機龍フィアの腕が嫌な音をたて、火花を散らしていた。
あと少しで千切られる!っというところで、突然、機龍フィアに大きな変化が起こることになる。
光のなかった両目に強い光が灯り、大きく口を開け、凄まじい大音量で、機械音の雄叫びを上げだしたのだ。
それがきっかけかは不明だが、機龍フィアの動力炉の暴走が緩やかに減速した。
***
機龍フィアに変化が起こる数刻前。
ゴボリッと。
尾崎は、口から泡を吐いた。
光のない、青黒い奇妙な液体の中に閉じ込められた尾崎は、上も下も分からないままもがいた。
機龍フィアを支配し、操っている使徒に捕まり飲み込まれた。
脱出をしようと手足を動かすも触れるのは、液体のような感触だけでそれ以外がない。
「(…息が……。)」
液体の中なので酸素が得られるはずがない。
息を大きく吸う暇もないまま、捕まって飲み込まれたためどんどん苦しくなっていく。
しかし諦めるわけにはいかないと、最後の最後まで足掻こうと尾崎は動いた。
その時、尾崎の目の前で強い光が発生した。
閉じた瞼の上からでも感じたその光に反応して目を開けると、自分がいまいるはずがない場所で尾崎は倒れていた。
「
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