第十一話 IREUL
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させた。
----------キ、テ-------ォ------キ------テ------
弱々しく、小さいその音…。よーく耳を澄ませれば声のように聞こえるその音が空しく響いた。
***
群馬の都心の避難を速やかに終わらせ、使徒に取りつかれた機龍フィアを迎え撃つための布陣を引いた地球防衛軍。
尾崎は、特殊な貫通弾が詰まったロケット砲を担いで、周りに控える仲間で隊の部下であるミュータント兵士と共に、その時が来るまで待機していた。
音無がいる科学部と機龍フィアの開発・改造をしている技術部から伝えられた使徒への対抗策が司令部を通じて前線部隊に伝えられた。
機龍フィアの超合金のボディの下にある素体(ゴジラの骨格の形にコネて固めたツムグの遺伝細胞の塊)に大きな刺激を与えてすでに関節などに浸食しているツムグの細胞を活性化させて機龍フィアの機体を無理やり動かしている使徒を追い出す…、または機体の内部で死滅させるのである。
そのために白兵戦や戦車などの移動兵器扱うことを主とするミュータント部隊に支給されたのが、目標に当たると爆薬の詰まったドリルが目標を貫いてその内部で爆発するという特殊な貫通弾であった。これは、土砂崩れや倒壊した建物の復興の役立っていた製品でもあり、その威力はこれを使ったことがったり使われた現場を見たことがある者は皆太鼓判を押す代物だ。
ただ、機龍フィアの超合金に穴を空けられるかといったらそんなことはない。むしろドリルが粉々になって表面で爆発するだけで終わる。あくまでも今回の目的は、機龍フィアの素体の内部に詰まっているツムグの遺伝細胞の活動を活発化させることなのだから、内部に影響が少しでもある武器が必要だったのだ。なので攻撃目標は自然と背骨部分になる。ここが一番素体に近いといえるから。
機龍フィアの歩行による地響きが徐々に大きくなっていく。待機している尾崎も仲間達も、他の場所に配置されている部隊にも緊張が走る。
気候の都合で霞がかっていた景色の中から、ぬぅっと不気味な様子で青白い光の筋を全身にまとった機龍フィアが現れた。
『作戦開始!』
マイクから熊坂の号令がかかり、待機していたすべての部隊が動き出した。
「尾崎少尉! 頼みますよ!」
「ああ! 分かってる!」
歩行を続ける機龍フィアが起こす地響きに臆することなく、機龍フィアを目指して走る尾崎の部隊。
別の方向では風間も部隊を率いて頑張っている頃だ。
尾崎は作戦が伝えられた時、現時点で尾崎にしかできんだろうということで特別な指示が下された。
機龍フィアは、基本的にDNAコンピュータと操縦者によって内部から機体をコントロールするのが基本であるが、万が一のため外部か
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