第十一話 IREUL
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化させれば使徒は機龍フィアの中にいられなくなるんじゃないのかしら?」
「どうやって?」
「最初の細胞の浸食が起こった時のように、刺激するればいいのよ。素体…、一番細胞が詰まっている背骨を!」
科学部と技術部が考案した機龍フィアのとりついた使徒を取り除く作戦。
機龍フィアの素体(背骨=脊椎)を攻撃して内部に詰まっている椎堂ツムグの細胞を活性化させて、使徒が機龍フィアの中にいられなくさせてしまうというものだ。
速やかに裏付けとなるデータと共に司令部に伝えられた。
彼らが機龍フィアに取りつく使徒と、その使徒を狙って大怪我を負っていながら上陸してきたゴジラに対応するために動いている最中も、ずっと機龍フィアのDNAコンピュータからは弱々しさが感じ取れる信号が送信され続けていた。
その信号の履歴と信号の内容などを分析した音無は。
「…3式に自我意識が芽生えた時のデータに、似てる…?」
過去の記録に残っている3式機龍に自我意識が芽生えた時の数値のデータの資料を、音無は見たことがあり、それに近いような気がしていた。
気になった音無は、科学者の仲間に使徒の経過観察などを任せ、機龍フィアのDNAコンピュータから送信される信号の数値を調べることにした。
***
一方。
『……やられた。ってか、参ったなぁ…。』
ツムグは、機龍フィアの操縦室の中で他人事のように目の前にあるモノを眺めながらそう呟いた。
ツムグが見ているのは、繭のような形状だが下手な鉱物より圧倒的に固い物質で操縦席ごと覆われてピクリとも身動きが取れなくなっている自分自身だ。
操縦室全体に硬質化した繭のような物質の線が張り巡らされ外部からの通信を遮断している。
ツムグは、精神の一部を硬質化した繭の外へ出して状況を確認し、何が起こったのかを理解して最初の言葉を吐いたのである。
精神の一部を外へ出したことで、自分の本体を覆って拘束している繭のような物体が使徒が作り出したものであること、精神の一部を外へ出さなければそれを認識することすらできない完璧な封印を仕掛けられていたことを理解した。
そしてミュータント(ちなみに尾崎以上)の超能力などもほとんど使えない状態だ。どうやらヘルメットのDNAコンピュータと脳との接続部分から直接脳機能を強制的に睡眠状態になるように働きかけられているらしい。
完璧と言えるほどの不意打ちだったため、長らく防衛軍やその他諸々を困らせてきた自由奔放の源だった力を抑えられてしまい、高い身体能力も脳機能の強制睡眠で発揮できない。
脳がまだ完全に睡眠状態に入っていないので、意識があるうちに精神の一部を外へ出して状況の確認を行ったのである。だが徐々に残
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