第十一話 IREUL
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。使徒イスラフェルをあっさり殺してみせた機龍フィアが易々と使徒に操られているのだ。最強の手札を正体不明の敵に奪われてしまったのだ。
波川は、映像に映る機龍フィアを睨むように見つめていた。
「波川司令!」
「……ツムグからの反応は?」
波川がようやく口を開いた。
「いいえ。通信回線が閉じられています。それどこかG細胞完全適応者の体内にある発信機からの電波も妨害されているようです。」
波川の秘書が送られて来た解析結果を報告した。
「つまり生死は不明ですか…。」
「ですが…。」
「なにか?」
「一方通行の回線からですが、DNAコンピュータからたどたどしい信号のようなデータが送信されているようです。」
「……研究部門と技術部門に、至急、DNAコンピュータの伝達回路と機龍フィアの設計図と最近までの機体の整備状況の記録を調べ、現在の機龍フィアの状態との照合を急ぎ行うよう指示を。」
「司令! 攻撃の許可を!」
「…許可します。使徒に取りつかれている機龍フィアの足止めを! そして群馬の全住民に避難指示と迎撃部隊の配置を急ぎなさい!」
「了解!」
「轟天号の出撃は!?」
「アホか! 修理がまだ終わっていないぞ!」
「そーでしたー!」
サハクィエルの時のゴジラとの戦いでエンジンやらその他武装や機体自体が大きなダメージを残してしまった轟天号は、出撃できる状態じゃなかった。そんな下手な漫才みたいなやり取りを聞いた波川は、疲れたため息を吐いた。
宇宙空間に現れた超巨大な使徒サハクィエルにロシアの基地が破壊され、他の国の基地もやられる危機に対する緊張感がサハクィエルの死で解かれて間もなく機龍フィアが新たに現れた使徒に乗っ取られるという非常事態になり、ただでさえ多忙な波川の疲労はピークだった。
多くの人間達が住み、第三新東京から移された人間達も多く住まわされている群馬の都内に向け前進を続ける機龍フィアに、戦闘機からの爆撃が行われた。
特殊超合金のボディは、怪獣用のミサイルでも傷がつかず、歩みを止めることすらできない。ゴジラの放射熱線を拡散し無効化する装甲はレーザー系の兵器も無効化した。
歩みが遅いため、進路の先に陸軍が待ち構え、メーサータンクやその他砲撃隊が集中砲火を浴びせるが、これも意味をなさない。
最強最悪の怪獣王(セカンドインパクト後で何故か強化されたバージョン)との戦うために作られた兵器が、こんな形で自分達に牙を剥くなんて、誰が想像した?
使徒を第三新東京に行かせるわけにはいかないし、機龍フィアを使徒に奪われたままにするなんてもって他。
機龍フィアを奪還するにしても、破壊するにしても、どちらを選ぼうにも機龍フィアに取りついている使徒の生態がまったく分か
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