第十一話 IREUL
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ったのに…。ビールで脳味噌膿んでるんじゃないの?」
「そんなわけないでしょー!」
「五月蠅いわね…。最後の時をあんたの不快な声で収めるなんて嫌だからさっさとどっか行ってくれると嬉しいんだけど?」
「ちょっと、リツコー! あんた最近あたしに冷たすぎない!? なんでなの!?」
「…あんたが私のお気に入りの子に突っかかったからよ。」
「えっ!? なにその理由!? 心当たり全然ないわよ!? そもそもお気に入りって…、リツコ、あんた……、うっそぉ! 研究室で干物になってるあんたに男ができたってこと!? しかもさっきの言い方だと年下なの!? うわーウソー! リツコったらそんな趣味?」
「お気に入りってだけで、なんでそこまで妄想を飛躍させるのよ…。言っとくけどその彼とはそういう関係なんてこれっぽっちもないわよ。向こうがその気もないし、色々タイミング悪くて連絡先の交換もできなったのよね…。」
「あらら? リツコは気があるってこと、そうなの? そうなの? ねえ、どこの誰よ?」
「嫌よ。教える義理なんてないし、もうすぐ死ぬかもしれないんだから死後地獄に持っていくわ。」
「あーーーー! そうだったわ! やばいってこと忘れてたーーー!」
「……無様ね。」
途中で話が脱線して、現在の危機的状況のことを忘れてしまってパニックになったミサトから目を離し、リツコは、パソコンのキーボードを叩いた。
***
ゴジラよりも重たい、鋼の塊の歩行は、それだけで破壊を生む。
地響きが起こり、地面が陥没し、木が倒れ、コンクリートがひび割れ、踏み出した一歩の下にある物はなんであれペシャンコになる。
ゆっくりと、だが確実に歩を進める機龍フィア。
前進を続ける機龍フィアの周囲を、軍用ヘリとしらさぎなどの戦闘機が飛行し、機龍フィアの状況を司令部と他の部隊に実況し続けていた。
『機龍フィアは現在…、第三新東京へ向けて進行中!」
「やはり第三新東京か…。」
「おい、使徒を示す解析結果は間違いないんだろうな!?」
「機龍フィアの進路上には群馬の都心のど真ん中であります!」
「群馬は第三新東京の住民達をのほとんどが移住しているエリアだぞ! この進路を維持し続ければ都内をまっすぐ突っ切ることになる! なんとかして止めるべきだ!」
「待て! 使徒の全貌も分かっていないのにそれは危険だ!」
「乗っているG細胞完全適応者はどうしたんだ!?」
「ともかく進路上の住民に即刻避難勧告を!」
「せめて進路を変えさせるために攻撃をすべきではないのか!? 波川司令! ご決断を!」
予想だにしていない非常事態に司令部はパニックになっていた。
現状での最強の対ゴジラ兵器に使徒がついている
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