第十話 ゴジラvs轟天号
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きだという流れになり、また船員達はゴジラを逃がしてしまったことや覚悟が足りなかったという自覚を持って反省しているということで、褒められこそすれ、ゴジラを倒せなかったことを咎められることはなかった。
轟天号は、普通の船として動くならなんとかなるが、飛行戦艦として活動するには少しばかり時間がかかるということになった。動力回路が火を噴いた原因は、メーサー砲を限界以上で発射したことだった。なので修理も急ぐが、メーサー砲の改良が急がれることになった。
解放された尾崎を最初に出迎えたのは、音無だった。
「お疲れ様。」
「…ああ。」
音無の顔を見て、今だ高ぶっていた神経が少し落ち着いたのか、尾崎の顔が少し穏やかになった。
尾崎と音無は並んで歩き、会話をした。
「国籍不明の潜水艦隊がゴジラを邪魔するなんて……、一体何が目的だったのかしら?」
「それを今調べてるところだろ?」
「それはそうだけど…、それにしたって変じゃない?」
「ああ、そうだな。」
「ゴジラに恨みのある過激派だったとしても、潜水艦を数隻に、怪獣用の兵器、それに戦闘機まで揃えるなんてそんじょそこらのテロリストじゃないわ。あれから潜水艦の方も回収して調べたの。回収したって言っても、機龍フィアとゴジラの戦闘で大破しかけてたんだけどね。でね…、尾崎君…、とんでもないことが分かったの。」
「とんでもないこと?」
「そう。G細胞があったの。」
「なっ!?」
「ほんの少しだけれど。それもね、最近の物じゃない、全然新鮮じゃない古いものだったの。でもゴジラの注意を向けるには十分だわ。G細胞が入ってたカプセルの品番から、ゴジラを封印する35年以上も前のものだってことも分かったの。……当時の地球防衛軍と国際組織が厳重に保管していたものが、セカンドインパクトに乗じて闇に流れたものなのか…、それとも当時の関係者が持ち出したのか。詳しく調べたくっても、セカンドインパクトで色々と不明になったことが多すぎて…。」
「主犯を特定できないってことなのか?」
「今の状態じゃ…、そうなるわね。悔しいけど。」
「捕まえた奴らが証言してくれれば…。」
「そのこともだけど。かなり精神が衰弱してるのよ。うわ言で『来る。何かが来る』ってずっと怯えてるわ。とてもじゃないけどまともな受け応えができそうにないみたい。」
「どうして…。それじゃあ、聴取を取ることもできないじゃないか。」
「まともに喋れるようなるまで待つしかないわね。」
使徒サハクィエルを迎撃しようとしていたゴジラの邪魔をした謎の人間達を捕えたのはいいが、まともな精神状態じゃないということで回復を待つしかない状況と知った尾崎は拳を握った。
超能力を使って頭の中の情報を引き出すという手も考
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