第十話 ゴジラvs轟天号
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す…!」
「はあ?」
轟天号がこの場に急行した理由を作った張本人からの助けを求める信号だったと聞き、ゴードンは堪らずわけが分からないと声を上げた。他の者達も同様である。
「艦長! ゴジラが!」
機龍フィアから送られて来た突然の信号に気を取られている間であった。
喉の傷で苦しんでその場で動かなかったゴジラが、海に潜り、姿を消したのだ。
「ゴジラは、海中から東に向かいました。追いますか?」
「…っ、もういい。」
ゴードンは、ゴジラを倒せるかもしれなかったチャンスを逃し、悔しさで顔を歪め、拳を握りしめて耐えながらそう答えた。
若い船員達は、ゴジラを倒すチャンスを逃してしまったと理解し、迷ってしまったことについて自責の念にかられた。
結果だけを見れば、引き分けの戦いだったが、ゴードンの指示にもう少し早く答えていればゴジラを仕留められたかもしれない。轟天号の動力回路が火を噴く事態が起こって結局はダメだったかもしれないが、恐怖に負けたのと、覚悟を決めて挑んだが失敗したのでは全然違う。
もっとも大きなリアクションをしたのは、仲間や上官から戦闘狂などと言われる風間だった。事が過ぎてしまったことを認識してから風間は、唇を噛み、操縦桿を殴り、己の未熟さを恥じた。尾崎と比べて戦いに容赦ない彼であるが本質はまだまだ年の若い若者で、怪獣との戦いの経験がないという点では他の若い船員と同じだ。
しかしそうはいったものの、勝利のためや、負けたとしても後の者達のために命を投げ捨て戦ってきた先人達のことや、その先人達のことを踏まえて日々の訓練でいざとなれば命を投げ打つ覚悟を教えられてきた。この場にいる者達は、そのいざという時がきたのに身動きが取れなくなってしまった。その結果がこれだ。ゴジラを取り逃がしたことでゴジラがこれから先も災いを振りまくであろうし、終わるかもしれなかった戦いがこれからも続けられることになった。
やがて頭が冷えてきて、艦長であるゴードンからどんな叱責が来るかと船員達は身構えた。
だって、ゴードンがどれだけゴジラのことをライバル視しているか知っているからだ。
「…ツムグがなんだって? どうしたんだ?」
気持ちを切り替えたゴードンがオペレーターに聞いた。
ゴードンの様子を見て、これは、いわゆる怒りを通り越してしまっているなと船員達は別の意味で汗をかいた。
「いえ…、あの…それが……。」
「はっきりしろ!」
「き…機龍フィアの…DNAコンピュータから、みたいです。」
「それが、……、どういうことだ?」
信号の内容を解析したオペレーターのなんだかはっきりしない言葉にイライラしたゴードンが眉間をグローブで覆われた指で押さえ怒鳴りかけるが、何かを察して表情を変えた。
「
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