第十話 ゴジラvs轟天号
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射されると同時に、ゴジラの口から熱線が放たれた。
轟天号のメーサー砲も改良されており、発射されたそれは、ゴジラの通常熱線を僅かに凌駕し、ゴジラの喉辺りに当たった。
ゴジラは、怯み、喉を押さえるために手を離した。ゴジラの手から逃れた轟天号は一目散にゴジラから距離を取った。
「今のはさすがに股座が縮んだぜ…。」
バランスを無視してとにかく逃げることを優先したために大きく揺れる船体。ゴードンは、顔の横から汗を一筋垂らしていた。さすがの彼も今のは死を間近に感じたらしい。
「メーサー発射システム熱暴走寸前です! 冷却完了まで5分少々かかります!」
「もっと早く終わらせろ!」
「ダメです! どう計算しても最低でも5分かけなければ、このまま撃てしまったら、メーサー砲そのものが大破してしまいます!」
ゴジラから離れるために咄嗟に撃ったメーサー砲は、エネルギー充填による負荷を完全に無視していたためメーサー砲というシステム全体に大きな負担をかけてしまった。
「っ…。」
尾崎はさっきの自分の判断が間違っていたかもしれないと思った。
だがあそこで撃たなければ轟天号は撃墜されていただろう。頭では理解できていてももっといい方法があったのでは?っという疑念がついてまわる。
「チッ。…兵器開発の連中にちょいと話をしに行くか。」
「やめてください! 彼らの胃に穴が空きますって!」
「冗談だ。」
副艦長が上層部と前線の現場に板挟みになって凄まじく苦労している技術開発部を思ってゴードンを止めようとした。そしてゴードンは、冗談だと軽く言った。
副艦長はこう言っているが、技術開発部は機龍フィアのことで問題児の椎堂ツムグとの絡みが必須なのでとっくの昔に胃に穴が空いた患者が続出していたりする。そんなんだから防衛軍の病院では胃腸科の医師の数と設備がすごいことになっている。
喉を押さえて呻いていたゴジラは、顔を上げ、目に怒りの炎を燃やし轟天号を睨みつけた。
現状での最大出力のメーサー砲を近距離でくらった喉の部分は、ブスブスと爛れ、くり抜かれたような穴が空いており、轟天号尾睨んでいたゴジラだったが、ほどなくして口をパクパクさせて苦しそうに体を丸めた。
熱線はどころか、声すら出せない状態らしい。呼吸すらままならないのかもしれない。
狙ったわけではないがこのチャンスを逃すわけにはいかない。ゴードンは、指示を出した。
「先端ドリル回転速度最大! 目標! ゴジラの心臓!」
メーサー砲が使えないため、一か八かの接近戦で急所を狙い息の根を完全に止める。しかし、ゴジラの懐に飛ぶ込むので失敗すれば、良くてゴジラと相討ちである。高確率でゴジラに撃墜される危険な賭けだ。
メーサー砲が使えたとしても、ゴジラの心臓
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