第十話 ゴジラvs轟天号
[3/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
はあり得ないほど運が良かっただけのことで、運も実力の内とは名言と言えるかもしれない。
……本当にそう思う。
轟天号に乗る、怪獣との戦いの経験がない若い船員達はそう思い、サキエル襲来時にゴジラを追い返せたことで地球防衛軍の力に己惚れたことと、轟天号の乗組員になれて浮かれていた少し前までの自分を殴りたいと思った。
「ゴジラに新兵器が通用していない!? 艦長!」
「狼狽えるな。野郎はあれだけ高出力の熱線を連続して吐いたんで体に熱をもってだけだ。興奮して痛みを忘れてやがる。」
攻撃が通用していないのではなく、興奮しすぎて痛みを感じなくなっているだけである。っとゴードンは分析していた。
実際、極度の緊張と興奮状態は恐れや痛みを忘れさせるものである。
さらにゴジラは、デストロイアの一件でバーニングゴジラなる形態になってしまった時、進化を遂げたデストロイアのオキシジェンデストロイヤー並みのミクロオキシゲンを使った攻撃を受けてもへっちゃらだったという前例があり、核エネルギーの暴走によるG細胞の異常な活発化で強さが何十倍にも上がるらしい。
だがあの時は、メルトダウンによるゴジラは体内からボロボロに溶けていく状態に陥っていたため痛みを感じるのを通り越してしまっていたというのが正しいかもしれない。
ゴジラとて怪獣王という異名こそあれ命ある生き物だ。怒りの感情の権化のようでいて、ミニラやゴジラジュニアなどの同族には情を見せるある意味で感情豊かな存在だ。圧倒的な暴力で分かり辛いが知能も優れている。
40キロメートルという巨体のサハクィエルを殲滅するため、ごん太の熱線を連射したことでゴジラの体はエネルギーを生産するために凄まじい熱を帯びていた。ゴジラの体に触れている海水が蒸発し白い煙となって舞い上がっている。しかしメルトダウンに比べれば大した熱ではない。熱線を主力の武器とするゴジラには今の状態は日常生活程度のものでしかない。
しかしだ。セカンドインパクトの後、行方知れずになって間、ゴジラがどんな生活をしていたかは謎だ。
ゴジラと思われる痕跡は幾つか確認はされていたものの、ゴジラらしき姿があったという確認でしかなく、少なくともゴジラ自身は第三新東京に使徒サキエルが現れてから、サキエルを殺しに行くまでまともに陸に上陸せずひたすら待っていたのだろう。
自分の復活を預言(ツムグの預言)して潜伏していて、自分の復活と同時に復活した長年の宿敵(地球防衛軍)との戦いも再開できて、椎堂ツムグに言わせればゴジラは柄にもなくワクワクドキドキ感で興奮していたのだ。
「いくら痛みを忘れてようが、一時的な興奮は長くは続かない。諦めるな!」
「はい!」
「ミサイルの再装填完了!」
「尾崎、ゴジラの顔を狙え。機龍フ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ