第十話 ゴジラvs轟天号
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に任せた尾崎が、その後、ネルフのカメラに向かってこちらを睨んできた…ような気がする。まるでカメラの位置が分かっていて、しかもカメラ越しに誰がいるのかが分かっているような…、そんな目をしていたような…?
曖昧な記憶が妄想と混ざってしまい、ゲンドウは、真偽はともかく尾崎に対して暗い感情の炎を燃やし始めていた。
書類の写真からも感じ取れてしまう、若さだけじゃなく、内面から出ている強く、けれど優しい正義の心。
E計画のために身も心も捧げてしまった最愛の妻ユイをただただ追いかけ続け、ついに人類の全てを犠牲にしてでもユイを取り戻そうとすらしている心の弱い男であるゲンドウには、とてつもなく眩しく見えた。
ユイが、自分を温めてくれる優しい温もりの光なら、尾崎は周りを照らす強烈な光の太陽だ。
ゲンドウは、殺意に至るほどの憎しみを抱いた。
自分にはない強い心を持つ男。しかも容姿もいいし、写真だけでこれだけ印象が出ているのだから、さぞかし周りから好かれているに違いない。
他人との馴れ合いが苦手でユイに出合わなければ孤独な人生を送っていた可能性が高いゲンドウにとって、実物を目にしたわけじゃないが尾崎という他人から好かれる輝きを備えた人物は、存在するだけで殺害する動機になるほど憎しみにかられる。
ゲンドウは、こうしてゼーレとは別の理由で尾崎を敵視した。
ゲンドウは、自分の目的を諦めずに引きずる傍ら、尾崎について独自に調べることになる。
***
ゼーレやゲンドウが勘違いによる行動を起こすことを決めている一方で。
ゼーレやゲンドウも予想だにしていなかったとんでもない事態が発生し、彼らだけじゃなく、その事態に直面してしまった地球防衛軍側にも激震が走ることになった。
日本に帰還し、あとは基地を目指すだけというところで、機龍フィアがしらさぎと連結している部位を引きちぎって無理やり地面に着地したのである。
突然のことに周りが驚愕している合間に、機龍フィアは勝手に歩き出したのである。
地上を歩行して突き進む機龍フィアの機体は……、青っぽい光の筋が血管のように赤と銀のボディカラーの表面に走り、機龍フィアの目は稼働していない時の暗いままという、不気味、の一言に尽きる有様であった。
騒然となる司令部と原因解明を急ぐ科学部と技術部が、ゆっくりした足取りで前進を続ける機龍フィアのボディを汚しているものを遠隔で解析した時、戦慄が走ることになった。
パターン青……、すなわち、使徒を示す結果が出たのだ。
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