第十話 ゴジラvs轟天号
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を気に入っているツムグを怒らせるのは…、遠くない先の話である。
***
ゼーレが勘違いによる対策を始めたことで、別のところにも勘違いが伝染することになった。
ネルフの司令室の机の椅子に座ったゲンドウが、書類が挟まったボードを両手で持った状態で震えていた。
いつものサングラスの下、彼の額には大きな絆創膏が張られている。
レイのクローン体が培養施設ごとすべて燃やし尽くされ、復元不能を通達され、たまらず自らの足で現場に来てその惨状に意識が遠退き、顔面から倒れたためだ。
精神ダメージもあり、少し入院し、額に絆創膏を貼った状態で完治を待っている状態である。顔面から思いっきりいったが、幸い骨に異常はなかった。
彼が今震えているのは、ゼーレから送られてきたある情報をまとめた書類の内容を見たからだ。
書類の内容を簡単に説明すると…。
【地球防衛軍・M機関のミュータント兵士・尾崎真一(推定二十代)に、人類補完計画の情報を知られ、地球防衛軍側に漏れた可能性有り】
…で、ある。
ゲンドウもあくまで資料の上辺程度であるがミュータントの能力については知っている。
しかしネルフ本部そのものがミュータント対策の仕掛けや妨害する仕組みを組み込んでいるため、ミュータントのスパイが入り込んでも対処できる状態だった。だから物理的な攻撃以外ではそれほど脅威には感じていなかったのだ。
ところがゲンドウは、ミュータントの中に数百万分の一で、圧倒的に強い突然変異の個体が生まれる可能性があることは知らなかった。
ゼーレからこうして直接情報がもたらされるまで、その突然変異の個体であるカイザーというものを知らずに一生を終えたかもしれない。
そのカイザーである尾崎の能力をもってすれば、対ミュータント技術も意味をなさないという研究データがあり、そのデータによると通常のミュータントに効くことが、尾崎にだけは効き目がないのである。
圧倒的に能力が高いことから、通常のミュータントには障害にしかならないことも障害にならないのだ。
現在までに確認された突然変異の個体であるカイザーは、尾崎のみで、尾崎さえ抑えることできればミュータントという超人を戦力として保有する地球防衛軍の耳と目を潰せるはずであるとゼーレは考えている、だからゲンドウにもそれに協力しろということである。
書類に載っている尾崎の写真には、ゲンドウは見覚えがあった。
サキエルが現れ、ゴジラが来て、初号機にミュータント兵士がよじ登り、初号機のハッチを無理やり壊してシンジを持っていかれてしまった時だ。
拡大映像で見た、エントリープラグからシンジを抱えて出て来た男……、そいつだ。
そういえばシンジを救護班
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