第十話 ゴジラvs轟天号
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えられたが、精神が崩壊しておらず、かといって正常ではない中途半端な状態だと無意識の抵抗により脳細胞が壊れて死亡するか運よく生き残っても二度と元には戻れない。
尾崎が精神崩壊していたシンジに超能力を使ってシンジに後遺症を残さずにすんだのは、精神の治療のための特殊な訓練を尾崎が積んでいたのと、あの時のシンジの精神にも肉体にも他人の力(精神)の侵入に抵抗する力がなかったからだ。
……だからこそ、あの時初号機の意思が入り込み、堂々とシンジの幼い時の姿を借りて精神世界で尾崎に接触できわたけである。
「そうか…。」
尾崎は、残念そうに息を吐いた。
「あ、そうそう。」
何か思い出した音無が白衣のポケットをゴソゴソ探り、メモリーカードを取り出して尾崎に差し出した。
「これは?」
「ザトウムシ(※使徒マトリエル)の後から立て続けで渡しそびれたから。」
「? ……ああ。分かった分かった。」
尾崎は何か思い出したという反応をして音無からメモリーカードを受け取った。
このメモリーカードには、一見何の変哲もない文章と映像が保存されている。
しかしこれは暗号化されたデータで、その内容は、報告である。
尾崎達は、内密にゴードンに協力を求めたのである。
尾崎が昏睡していたシンジの精神世界で手に入れたサードインパクトに関わると思われる重大な情報は、あまりに壮大すぎて現実に起こせるはずがないとすぐに否定されるような代物だった。けれど尾崎達が信じたのは、嘘偽りのない精神世界の最深部辺りで入手した情報で、更にエヴァ初号機だと名乗ったシンジではない別の精神がシンジの姿(幼いころの)を借りて尾崎にセカンドインパクトの原因とサードインパクトと関係しているとジンルイホカンケイカク(※漢字表記を尾崎達は知らないので尾崎達はカタカナで認識しています)なる人類を滅ぼす恐ろしい計画のことが語られたのだ。初号機の言動が幼げだったこともあるし、何より嘘偽りのない世界での会話だったため初号機の語ったことが真実であるのは間違いないのである。
当事者である尾崎と尾崎の恋人で優秀な科学者である音無と尾崎のライバル(風間からのやや一方的な)で親友の風間だから壮大な空想じみたこの情報を信じたわけだが、他の人間に話してもらえるはずがないという前提と、尾崎がそれらの重大な情報を知ってしまったことをセカンドインパクトを起こしたうえにジンルイホカンケイカクを実行しようと狙う輩達に知られてしまう恐れがあったから、尾崎達はこの話をする相手を選ぶのに慎重になった。
慎重になったものの、真っ先に頼りたい相手として頭に浮かんだのがゴードンだったのである。ゴードンなら大丈夫という謎の絶対的な信頼感があったからだ。
そういうわけで音無が代表としてゴードンに協力
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