第十話 ゴジラvs轟天号
[2/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
は、生まれて初めて忠誠を誓う相手である老人達を恨んだほどだった。
自爆の他に自殺するという手があったが一時的に混乱した彼らはすぐにそれを思いつくことができなかった。
しかし間もなく聞こえた爆発音と揺れと、ゴジラの雄叫びで我に返り、すぐに自殺を決行したのだが……。
彼らは、死ぬことはできなかった。
銃は不発に終わり、刃は抜いた途端に粉みじんになって使い物にならず、ひも等を使おうとしても千切れるなどし、更に舌を噛むという自傷を行っても噛もうとした瞬間だけ顎が痺れるという謎の症状に見舞われ、彼らは得体のしれない恐怖にパニックを起こし正常な思考を放棄することとなった。
彼らが潜水艦の中でパニックを起こしている頃、外では潜水艦から離れた場所でゴジラと轟天号の戦いが勃発していたのだが、彼らがそのことを気にする余裕は一切なかった。
あとついでに、憐れなゼーレの信者達とゴジラと轟天号のもとへ、物凄いスピードで飛んでくる銀と赤の鉄の塊と、それと轟天号が飛んできた方向から轟天号を追って来る、サハクィエルが落としてくる体の一部を迎撃するために出動していた地球防衛軍の艦隊もいた。
それを知ったところで余計に絶望するだけなのだが……。
***
世界最強の戦艦。怪獣を知らない世代でも、今ここで起こっている戦いを見たら間違いなく脳細胞にそう刻み込まれるだろう。
ゴジラを相手に怯まず戦う、一隻の空飛ぶ万能戦艦・轟天号。
ゴジラにとっては、つい昨日のことのように記憶に残る35年前の南極での戦いで最後に見た人間が作った自分と戦うために作られた兵器。
ゴジラの記憶にある轟天号とはだいぶ姿は違うのだが、そんなことは些細なことである。ゴジラの本能が、今の轟天号を轟天号だと認識した。それだけで十分である。
ゴジラの熱線を紙一重で回避しつつ、船体の横から一発も外さずゴジラに砲撃を命中させる。
なんで高速で飛行しながら、熱線を回避しながら、百発百中の命中精度を叩き出せるんだっと、知らぬ者は驚きで固まるだろう。
しかも的確に、ゴジラの弱いところ(皮が薄いところ)を攻撃する。ネオになる前のGフォースが保管していたゴジラの戦いの記録とゴジラを倒そうと燃えていた先人達が綴った研究成果であるのだが、それを実戦でできるかどうかは別問題なのだが、轟天号はそれを実行してみせている。
弱いところといっても、新調された対怪獣用の砲弾もあまり効いていない様子である。なぜなら当たっているのに怯まないからだ。
第三新東京で追い払った時は、あの時点でGフォースが隠していたほぼすべての戦力を投入したのと、あと機龍フィアの初陣と、ゴジラが第一目標だった使徒サキエルを殺せて油断していたというのも大きい。あの時
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ