暁 〜小説投稿サイト〜
ゴジラ対エヴァンゲリオン(仮)
第九話  空の使徒
[10/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ント!」
「くそっ、思ったより貯まらない! エネルギープラントの出力をもっと上げろ!」
「……う、冷却が間に合わない! 一発目が撃てるか撃てないかだぞ、これは…。」
「その前に砲塔が爆発するかも…。」
「悪い方に物を考えるな!」
 ついに完成した宇宙にいるサハクィエル狙撃用のその場限りの兵器が完成し、発射体制に入ろうとしていた。
 しかしもともと欠陥がある試作の兵器を無理やり改造したものなので問題ばかりである。
 ツムグは、兵器に包まれたような形になっている機龍フィアの中で、目をつぶり、長く息を吐いた。
 ゴードンに言ってはいないが、ツムグには、ゴジラを邪魔しようとしている潜水艦の正体を知っている。
 こんな時にゴジラを邪魔する奴など、あの“老人達”ぐらいしかいない。
「ゴジラさんを邪魔すればどうなるか…、分からないほどボケちゃった?」
 ツムグは、ニヤッと笑って、ザ・命知らずな老人達を嘲った。




***




 サハクィエルは、ゴジラに勝てないと判断した。
 だが自信を突き動かす怒りという衝動をどこへぶつければいい?
 サハクィエルは、ラミエルの記憶からその答えを導き出した。
 答えを出したサハクィエルの体が、再生を始めていた全長40キロメートルの途方もない巨体が大気圏に途中し、高熱を纏った。
 目指すは、ゴジラ。
 己ができる最大の攻撃にして最後の武器をゴジラにぶつけてやる。
 アダムがバラバラになった時のあの大破壊の震源地で生き延びた奴を殺すのは無理だろうが、S2機関を全開にして生きた爆弾と化した40キロメートルの落下物の破壊をノーダメージでやり過ごせるはずがない。
 使徒サハクィエルが、アダムとの融合のために第三新東京へ行くことを放棄した瞬間だった。




***




 降下を始めたサハクィエルそのものをゴジラは睨みつけ背びれを激しく発光させ、エネルギーを溜めていた時、ふとゴジラは、気付いた。
 己の背後に自分と“同族特有の匂い”がすることに。
 咄嗟に後ろを振り返った時、ゴジラが知らない間に浮上していた複数の潜水艦からゴジラの無防備な顔面に向けて砲撃が飛んだ。
 それは爆弾でもなければ薬品でもない。いわゆるトリモチ的な粘着質な物質である。それも怪獣用の。
 いきなりのことにゴジラは、背びれを輝かせるのを辞めて、口と両目を覆ってしまったネバネタのものを剥がそうと両手を使い、身をよじった。
 続けて潜水艦がゴジラの両腕に砲撃した。これもトリモチ系で、一時的であるがゴジラの両手の自由を奪った。
 ゴジラが呻き声を上げながら身をよじる状態にした数隻の潜水艦は、役目は終わったとばかりにそれ以上の動きはなかった。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ