第九話 空の使徒
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兵器の核となり、エネルギープラントから直接エネルギーを充填できるよう大量の管を接続したり外したり、大忙しである。
こうしている間にも宇宙にいる特大級の使徒がまた体の一部を爆弾として落としてくるかもしれないので現場のピリピリは最高潮だ。
40キロメートルの巨体が地球衛星軌道という地上から遠い場所にいること、そしてATフィールドを纏っていること、そして兵器の耐久力から膨大な計算を行い正確に使徒を狙撃しないといけないため兵器の核となる機龍フィアのDNAコンピュータの正常な稼働が不可欠となる。なので現在DNAコンピュータとの近親性からDNAコンピュータを想定以上の能力を引き出せるツムグが機龍フィアに乗ってる状態でシンクロし兵器を完成させるための各種データと機龍フィアが纏うことになる巨大砲塔との接続、正常に稼働するか試すことが繰り返して使徒を狙撃する兵器の完成させようとしていた。
シンクロと言っても脳と接続してDNAコンピュータを活性化させるだけなので、正直ツムグは暇だった。
マトリエルの時の吐血の原因になった高出力の熱線の使用による内臓の血管のダメージは、すでに治っている。新たに監視用のナノマシンと機器を埋め込まれるなどしたが、ツムグはいたって元気だった。
「ゴジラさん、なにしてるかな〜?」
外で技術者達が走り回ってたり、指示を飛ばしていたり、材料を運んでたり、様々な機器を操って使徒を狙撃する兵器の完成のために動き回っているのを見ながら、ツムグは暇そうに足を組んだ。
ゴジラは、日本近海にはいない。ツムグが探知できる範囲は日本全土ぐらいなのでその範囲にいないということは、少なくとも国外にいるのは間違いない。
会議室で軍の上官らが考えたようにゴジラは巨大使徒の存在にはすでに気付いているはずだとツムグも考えているが、共感できる範囲に来ないとゴジラの気持ちを感じ取ることができないので、ゴジラが何を思って行動しているのかは、今は分からない。
ツムグがDNAコンピュータから算出した予想では、少なくともあと数時間ぐらいで狙撃する兵器は完成するはずである。ただしこれであの空にいる使徒、サハクィエルを倒せるかは別問題だ。
「そういえば、轟天号を宇宙へ飛ばす計画も一応やってるんだっけ? まあ、念には念だよね。準備しておくに越したことはないよね。それにしても、なんで使徒は急に地球防衛軍の基地を狙いだしたんだろ? 第三新東京を無視してさ…。フフ…、って誰も聞いちゃいないか。やれやれ独り言多いって言われても仕方ないよね。俺なんかと進んで仲良くなろうなんて奴、そうそういないし。」
−−−ゥ。
「ん?」
ヘルメットから何か音を拾ったのかと思いヘルメットの耳のあたりを触ったりして確かめた。
「気のせいか…?」
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