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ゴジラ対エヴァンゲリオン(仮)
第九話  空の使徒
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 サハクィエルの最後の攻撃となるサハクィエル自身の落下が迫る。
 一時的なこの妨害攻撃による僅かな時間が、ゴジラの圧勝か、サハクィエルの最後の悪あがきによる痛手を受けるかの分かれ道となる。
 トリモチみたいなものは、ゴジラの体表温度でどんどん粘着度がなくなり、拘束する力を失っていく。この怪獣用兵器は、核エネルギーを全身に行き渡らせているため体温が高く、しかも体内熱線という必殺技を持つゴジラには不向きでゴジラ以外の温度の低い怪獣の足止めなどに利用されていたものだ。
 ただ怪獣用の粘着物とあって後始末が大変なことから、今回潜水艦が発射したように使うのではなくトラップとして使うのが主な、場所を選ぶ代物である。
 ゴジラ封印後、セカンドインパクトの影響で他の怪獣が消えてから生産がストップしていた地球防衛軍の対怪獣用兵器の一つである。それを複数の潜水艦が武装として積んでいたのは、セカンドインパクトに乗じて闇の市場に流れた物が彼らの上の者達の手に渡ったのである。
 潜水艦の乗員達が忠誠を誓う秘密結社は、ゴジラに僅かでも今まで邪魔された恨みを晴らすためにこんなことをしたのだ。
 潜水艦も乗務員もサハクィエルの落下による破壊で消滅し証拠は残らない。
 しかし、秘密結社は、……老人達は、最初から失敗していた。
 地球防衛軍には、すでに老人達を見つけて、現在進行形で様子を見ている、ある意味ゴジラより厄介なイレギュラーがいて、この場所に最強の戦艦を呼び寄せていたことに。
 老人達は内容こそ分からなくても失敗したのだと理解する。先端に巨大なドリルを持つ地球防衛軍最強の万能戦艦・轟天号がその大きさからは予想もできない速度で飛んできて潜水艦の真上を通り過ぎ、通り過ぎる直後にゴジラに向けて数発のミサイルを発射していた。
 ミサイルの着弾による爆発と熱により、ゴジラの体温で溶けかけていたトリモチみたいなものはあっという間に剥がれ、目を怒りで血走らせたゴジラがあと数百メートルぐらい迫っていたサハクィエルを睨みつけた。その直後、遥か遠くからとんでもなくでかい高エネルギーの弾丸がサハクィエルに直撃し、恐らく咄嗟だったのだろうが、コアを守ろうとして動いたためにサハクィエルの落下速度が少しだけ減速した。
 その少しだけ稼いだ時間だけで、十分であった。ゴジラにとっては。
 ゴジラの口が大きく開かれ、青白い光を越えて、赤々とした光を纏った背びれを輝かせたゴジラは、極太の熱線を吐きだした。
 サハクィエルの巨大な体の中心、つまり目玉部分が熱線で貫通され、コアが燃え尽きるとともにサハクィエルの巨体は、失速して燃えカスのようにボロボロに崩れて風にあおられて空へ舞い上がり、その燃えカスもどんどん小さくなって消滅した。
 空を司る神の使いの名を持つ使徒
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