第九話 空の使徒
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衛星軌道に巨大な物体が突如出現した。
地球防衛軍の衛星や天体観測施設での解析で、出現したこの物体が使徒であることがすぐに分かった。
使徒マトリエルを殲滅してからそれほど時間が経ってない、立て続けの使徒の襲来であった。
観測され、衛星写真で撮られたこの使徒の姿と全長に観測者達は恐怖で絶望したという。
地球防衛軍本部の会議室では、浅間山でのサンダルフォン殲滅作戦以来久しぶりに緊急会議が開かれることとなった。
「ザトウムシによく似た使徒の殲滅後、この使徒は出現しました。今から映像を映像をスクリーンに映します。」
そして巨大スクリーンに、観測された衛星軌道上に出現した使徒の姿が映された。
その姿は、まさに美術品のような、カラフルなアメーバというか…、もしくは古代文明の遺跡にありそうな壁画とかオカルト系の書物に描かれるような模様に目玉がついているようなそんな異様な姿だった。目玉がなければ、これが生物だと判断できないような奇怪な形だ。
「全長はおおよそ20キロメートルから40キロメートル。発見されてから、現在まで動きは見られない状態です。この途方もなく巨大な使徒の攻撃手段やそれ以外の性質は、まだ解析できていません。」
「40キロメートルっ…!? なんなんだその大きさは! そんなものが今、地球の空から地上を見おろしているというのか!?」
「やはり、突然現れたのですか?」
「ええ。何の前触れもなく突然出現しました。衛星と天体観測施設の記録が必要ですか?」
マトリエルの後に続けざまに出現した使徒は、怪獣との戦いの経験者達ですら経験したことがない途方もなく巨大であった。
それも地球の衛星軌道上を漂っており、今のところ大きな動きはないが、宇宙空間に出現したことと、その巨大さだけで、もう不安と恐怖で多くの者達は顔が青くなっていた。
机に肘をついていたゴードンも、巨大すぎる使徒が映されたスクリーンを睨みつけ口元を歪めていた。
宇宙から来た怪獣や宇宙人はいたが、まさかなんの前兆もなく数十キロメートル級の使徒が現れるなど誰が考えた。さすがのベテラン勢も嫌な汗が伝う。
「スペースゴジラやミレニアムとはわけが違うぞ!? どう立ち向かえというんだ!?」
「地球防衛軍の兵器で地球衛星軌道上の物体を狙えるような兵器がそもそもあるのか!?」
「単発式だが威力を重視しすぎたプロトタイプのメーサー砲なら格納庫で埃被ってるがな。」
「ならそれを引っ張りだすべきだ!」
「待て、あれ(プロトタイプのメーサー砲)で40キロメートルもあるあの化け物を仕留められる保証はない! それにあれは爆発の恐れが高いから実戦に投入されなかったんだ!」
「仮に爆発しなかったとしても衛星軌道にいる奴まで攻撃が届くとは限らな
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