第八話 使徒も怯えるリリン(人間)!?
[8/19]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ら別物に取り換えられるも、なぜか突然自我が発生し、ゴジラと共に海に沈んでいる。一代目のゴジラの骨を使用したメカゴジラだった3式機龍は、ゴジラの骨を兵器として使うことを死者への冒涜だと言った小美人達の言葉通り静かに海の底で眠りたかったのだろうか…、3式機龍が永遠に失われた今となっては、永遠に答えは分からない。
日本では古い物や魂を込めて創られた物には魂が宿るというのが昔から浸透している。いわゆる付喪神という概念だ。あらゆるものには魂が宿っているという神話や言い伝えが生活に浸透している日本だからこそ無機物に意識が芽生えても案外簡単に受け入れてしまえるのである。
「パイロットスーツなしだからDNAコンピュータとのシンクロ率が低いな…。それに波長が乱れている。脳との接続と手動操作だけでどこまでやれるか。これも貴重なデータだ、しっかり記録しろ。」
機龍フィアから伝達される情報を管理するシステムのモニターを見て、メカゴジラの開発技術者の一人がそう命じた。
シンクロ率が低いといっても、椎堂ツムグ以外が万全装備で乗った場合に比べれば雲泥の差である。どれくらい低くなってるかいうと、150パーセントから145パーセントと…、わずか5パーセント足らずであるのだが…。
そこまでシンクロに差が出ないのは、機龍フィアの素体とDNAコンピュータがツムグの細胞から作られているからである。これは、エヴァンゲリオンのシンクロとよく似たものだが、エヴァンゲリオンとの大きな違いは、機龍フィアは、遺伝子(細胞)の提供者の椎堂ツムグとは同一人物、あるいは一卵性双生児といえる関係であり、遺伝子の近親性による共鳴が万全装備じゃない状態でも高いシンクロ率を叩き出す要因になっている。
「新しい監視用の物を作っておいて正解だったな。」
今回のツムグ失踪事件で苦労させられたことにでかいため息を吐いたベテラン技術者は、開発室にあるとある装置のスイッチを押して細長いカプセルのような物を穴からせり上げさせた。藍色の液体は、ナノマシンである。
ゴジラとの戦いが終わったらこれをツムグの体内に注射することになるだろう。
監視用のナノマシンの開発は、G細胞完全適応者を警戒する上層部の命令である。ツムグが解散前の地球防衛軍に保護され、監視下に置かれてから、脳や心臓に埋め込まれた自爆装置や監視装置、更に精神がゴジラ寄りになった時の危険を知らせるなどの情報を伝達する様々なナノマシンを技術部が開発し、科学部と医療部との共同でツムグの体に埋め込んできた。
たまたまG細胞と融合していたことが分かり、記憶がないことから椎堂ツムグという名を与えられた一人の人間に、約40年物の月日をかけて監視や万が一のためと惨い手術を施し続けてきた。G細胞の異常性もあり、ツムグは死にもせず、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ