第八話 使徒も怯えるリリン(人間)!?
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の足の一本が突然、根元辺りから切断され、胴体から離れた。
突然のことに固まったマトリエルの目が切られた足の方を見た時、地面に向かって降下していく刀を手にした茶色のコートの人間の男の姿があった。
その男と目が合った時、男が降下していく最中、ニヤッと笑ったのを見て、マトリエルは、ある感情に支配された。
その感情は、恐怖という名を持つものである。
***
「なにやってんだーーーーーーーーーーーー!!」
遠く離れた基地と前線の陣営とで同じ叫び声をあげていた。
マトリエルの足の一本を刀で…、いや身一つで切り落としたゴードンに、悲鳴を上げる者、行き場のない感情にパニックになる者、さすが人類最強と目を輝かせる者と反応は様々だった。
マトリエルの胴体が折りたたまれた足のおかげで地表に近いとはいえ、元々マトリエルは巨体なので人間からしたらとんでもない高さである。
そこにあっという間によじ登り(どうやって?)、刀一本で足の一本を切り落とし(一見細いが人間の大きさと比較したら圧倒的に太い)、切り落とした後、普通の人間なら無事じゃ済まない高所から地面に降下し、難なく着地する。
もはや人間の領域じゃない!
地球防衛軍は、科学的な部分と超人レベルに鍛えられた戦士達が集まることから、はっきり言って非常識だと昔から言われることはあった。(ミュータントが発生する前である)
人智を超えた怪獣達や、怪獣王ゴジラを相手に戦わなければならないのだ。怪獣は非常識レベルなんだから、こちらも非常識なレベルにならないと相手はできない。必然だった。
いくら超人レベルに鍛えたからといっても所詮は人間である。巨大な怪獣相手に生身で戦うなどセカンドインパクト後に確認されるようなったミュータントによる戦闘集団が考案されるまで人間が戦う場合は策を巡らせ、あるいは命を捨てて間合いに入り特殊な武器を打ち込むなどばかりであった。
ダグラス=ゴードンという人間が頭角を現すまでは……。
彼は、普通の兵士からの叩き上げである。それも35年前の南極でのゴジラ封印の時の戦いで初代轟天号のモブ乗組員だった。
たまたまゴジラの封印のとどめとなった氷山の破壊のため、ミサイルの引き金を引きはしたがそれがきっかけではないことは確かである。だが彼がゴジラをライバル視し、手段を選ばぬ指揮官になる原点ではあった。
何がどこで、どうしてこうなった?っと、ゴードンの同僚達がいくら頭を捻ってもゴードンが人類最強と呼ばれるまでに強くなった過程を思い出せない。地球防衛軍所属の人間に義務づけられている定期的な健康診断では、ゴードンがミュータントではなく、ただの人間であることははっきりしていた。
椎堂ツムグがこの場にいたな
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