第七話 椎堂ツムグの決意 その1(※一部書き換え)
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にさせるのだった。
完全に混乱してるシンジをよそに、レイは、食事というのはかつて自分が住んでいた殺風景なマンションの一室でひとりで食べるより、今日のようないい天気の日に誰かと一緒に食べる方が美味しいのだということを理解し、シンジにまた頼もうと呑気に無邪気に考えていた。
***
ネルフ本部の一角。
今はまったく機能していない作戦本部の作戦部長であるミサトは、ご機嫌ななめだった。
自宅待機なのに暇だからここにいるのはもう恒例になっていた。
そんな彼女が機嫌を悪くしているのは、彼女の目の前にいる無精ひげの男のせいである。
「なんで、あんたがここにいんのよ?」
「つれないな〜。久しぶりに会ったていうのにそんな顔するなよ、葛城。」
加持リョウジ。ちょっと前にアスカと共に轟天号でネルフ日本支部に運ばれた男だ。
あの後ネルフの司令部に顔を出したもののミサトには会ってなかった。
そして今日、偶然にも加持と接触することになった。
やたらミサトに馴れ馴れしい加持。
それもそのはず。加持はミサトの元恋人なのだ。
「用がないならさっさと帰りなさいよ。」
「いいじゃねぇか。おまえだって作戦部が機能してなくってメチャクチャ暇してるんだろ?」
「うっぐ!」
言われたくない事実にミサトは、呻いた。
「リッちゃんにも会ったけど、なんかゴジラや地球防衛軍の資料見るのに夢中みたいだし。折角だし、飲みに行かないか?」
「いくら暇でもあんたと一緒にいる時間は作らないわよ。」
「なんだよ〜。奢ってやるのに…。」
「おご…!」
加持の言葉にミサトが思わず過剰に反応した。
本部の維持費以上の費用を削減されたネルフ。特に本部を維持する部門の責任者以外の給与は大幅に削られてしまった。ミサトの作戦部もその一つであり、ミサトの給与は最低限の生活を出来る程度まで削られてしまっている。
やることがないこともあり、娯楽に逃げたくてもそのためのお金もなく、ネルフに権限があった頃は忙しくて一日の疲れを癒すための楽しみだったビールも制限しないと食事に困る状態だった。
積み立てのローン(主に車)の支払いなどもあるが、ミサトの給与は、それを差し引いても自炊などして工夫すれば十分娯楽を楽しめる程度にはある。しかしミサトは家事一切がすべてできないインスタントに頼る生活をしていたため生活は苦しくなっていたのだ。もちろんゴミなどの掃除もほとんどできず、彼女の住いのマンションは、ゴミ溜め状態である。洗濯もネルフのクリーニング(本部に住む込みの職員用なのだが)を利用して辛うじて衣服はなんとかできている状態だ。
そんなミサトには、加持の食事を奢るという言葉は魅力的すぎた。
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