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ゴジラ対エヴァンゲリオン(仮)
第六話  浅間山を守れ!
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いた。
 ヘルメットと全身を覆い尽くす特殊スーツ越しに青白いゴジラの背びれに輝きに似た発光を放ち、彼の脳と接続されているDNAコンピュータがその感情のぶれに反応してエラーを示す文字を、ヘルメットに映る文字やモニターに出していた。
 ツムグの心の動きによる危険信号が司令部及び科学・技術部に伝達されるようなっているため、基地ではツムグの異変に顔面蒼白なる者が出始めていた。
 伝えられる危険信号とは、ツムグの精神がゴジラの怒りと破壊の権化のような狂暴な精神になりかけているという内容だ。
「そうだよね? お仕置きは、必要だよね。ありがとう、ゴジラさん。ほんと気が合うよね。当り前か。だって俺、ゴジラさんの細胞を持ってるんだもん。人間ってさ、ほんと面倒くさい時が多いよ。今だってそうだ。ゴジラさんがやろうとしてるみたいに、火山ごと使徒を殺せるのにさぁ。他の自国民や周りの国のためにできないって言うんだ。あのさ、俺…、どこうか? ゴジラさんのやりたいようにぶっ飛ばしてスッキリさせる?」
 ツムグの目が金色に光ってはいるが、そこにゴジラの目に宿るものと似た狂暴な炎が揺らめき始めていた。そして物騒なことを喋りはじめていた。
 ツムグは、動きのない使徒への怒りからゴジラに精神を引きずられていた。
 地球防衛軍が彼を保護した時から危惧してきた最悪の事態が起こりつつあるのだ。
 ツムグの監視と世話をしている科学部門が集まって、ツムグの脳や心臓に埋め込まれている自爆装置を作動させるスイッチを押すタイミングを図っていた。
 だがしかし、ツムグを失うことは地球防衛軍最強の兵器である機龍フィアを失うことに繋がる。またゴジラを感知できる最強のセンサーでもあり、非公式ではあるが第三新東京になる前の東京でメルトダウン寸前だったゴジラを元に戻し、南極にゴジラを封印した時のようにゴジラを追い詰める切り札にもなった貴重な存在だ。
 しかしツムグ以外にG細胞完全適応者が発見されていない、またそれに匹敵するものもない以上、ツムグを死なせる(死に至りそうな重傷を負わせる)のは、戸惑われた。
 ツムグを危険視する反対派達が急かせるが、波川らのようにツムグを失うリスクを危惧する者達が必死で止めている状態だ。
 波川は、この非常事態の中、保険を託したゴードンのことを思った。
 連絡は入っていないが、すでに動いているはずである。
 波川は、汗を垂らしながら歯を食いしばり、ゴードンが早くこの事態を好転させてくれることを願うことしかできなかった。


 そして、彼女の願いは、それほどかからず叶うこととなった。


 浅間山を観測していた基地の科学部門と浅間山の方で観測を行っていた部隊からの緊急伝達で、浅間山の火口から胴長な平たい魚みたいな姿をした使徒が
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