第六話 浅間山を守れ!
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報告を受けて副艦長が悔しさを露わにし拳を握った。
「使徒はまだ孵化しないのか!」
「まだ反応はありません!」
「はあ…、やっぱりか。奴ははなからこうなるように俺達を誘い込みやがったんだ。」
「ま、まさか、艦長…、使徒はまだ羽化する前の幼体なのですよ?」
「エヴァンゲリオンを輸送する途中で出たあの魚みたいな使徒もそうだが、奴らは見かけ以上に相当頭がいい。どんな姿形であろうとな。マグマの中の蛹も俺達とゴジラを潰し合わせるエサに自分から名乗り出たんだろうな。」
「では、艦長! 使徒は、自分ごと火山を吹き飛ばさせて日本をメチャクチャにする代償に、彼らが狙っているネルフ本部に打撃を与えるつもりでいると!?」
「可能性は十分ある。」
「そんな…。」
兵器管制のシステムを司る座席に座っている尾崎がたまらずそう言った。
操縦席に座る風間も腕組をして大きく舌打ちをした。
船員達に凄まじい不安と焦りの色が見え始めた時、ゴードンが帽子を被りなおして命令を下した。
「轟天号発進。地下に潜行して深さ1780メートル付近まで掘り進め!」
ゴードンが波川の許可を取って用意していた保険が使われる時が来た。
轟天号は、浮遊するとドリルを高速回転させて地面に突っ込み、凄まじい速度で地下を掘り進んでいった。
ゴジラが熱線を吐くタイミングを見抜き、やっと隙を突かれずに熱線を吐くのを邪魔できるようなったツムグだが、背後のスーパーX2は、もう半分しか残ってない。
ファイヤーミラーが使えないと分かり、機体を犠牲にして熱線を浅間山に当たらないようにするしかないスーパーX2は、退却することができない。
まさに捨て身の防衛である。
量産型スーパーX2は、無人機である。オリジナルのスーパーX2も無人機であった。乗員を守るため、そして各種データ取るためである。
ところがこの量産型スーパーX2には、新たな戦力強化と開発を目的に試験的に機龍フィアと同じツムグの遺伝子から作られたDNAコンピュータが積んであった。
ゴジラに対する彼にしかない独自の共感能力を持ち、なおかつ本人が機龍フィアを双子の兄弟のようなものだと認識しているのもあり、同一のDNAを持つコンピュータが破壊されるたびに“痛み”によく似た衝撃が嫌でも伝わってきていた。
技術開発部は、間違いを犯してしまったのだ。
ツムグのDNAコンピュータの量産がどんな結果をもたらすのかを。
「……ふざけんなよ。使徒ちゃんよぉ…。お仕置きが必要だと思わない? ねえ、ゴジラさん?」
ツムグは、口元をひくひくさせた笑みを浮かべながら目の前のゴジラに向かってそう問いかけた。
マイペースな彼には珍しく、かなり感情がぶれて
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