第六話 浅間山を守れ!
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してから使徒を殲滅するにあたっても、不意打ちのような小細工はしていない。例外としてガキエルは、自らがエサとなって轟天号を巻き込もうとしたので逃げるような形でゴジラに追跡されていたが、結局ゴードンの策で海底火山で炙られて黒焦げになるほどの痛手を負わされて耐えきれず退散し、追いかけてきたゴジラにあえなく殲滅されてしまった…。
現時点でゴジラを探すのに特化した最高精度を誇る椎堂ツムグの遺伝子から作られたDNAコンピュータの出した答えは、ゴジラが離れた場所にある海底のマントルを通らず陸上から浅間山へ来る可能性がもっとも高いということ。
先ほどあった科学部門の説明もあったが、セカンドインパクトを経て異様に強化されたゴジラなら、浅間山ぐらい熱線で消し飛ばせるだろう。山を破壊せずとも火口から熱線を叩きこめば熱線の爆発力で火山の深部を膨張させて大噴火させ、使徒を外に放り出すことだってできる。
「つまりこういうことか?」
ゴードンが口を挟んだ。
「使徒が羽化するまで、ゴジラから浅間山を守る。そして羽化した使徒がマグマから飛び出してきたら、ゴジラか、機龍フィアで殲滅させる。そう言いたいんだろ?」
「…ええ。その通りです。」
ゴードンの言葉に波川は深く頷いた。
二人の言葉で会議場がまたざわざわと五月蠅くなった。
今回の戦いは、倒すべき使徒をあえて守るのだ。ある意味で怪獣より厄介で気味の悪い存在である使徒を、使徒が潜んでいる浅間山をゴジラに破壊された余波で日本全土の火山に影響を与えないための作戦だ。
この使徒を倒してはいけない…、いや最終的には倒すのだが倒せる状態になるまでとはいえ守ってやらなければならないのだから皆の心情は複雑だ。
「今回の戦場は、灼熱のマグマが煮えたぎる活火山です。ミュータント部隊は危険なので後衛支援に回ってもらいましょう。また使徒が孵化した時の影響も考えて火災や火砕流などの災害に備えてもらいます。万が一に備えて、日本全土の火山の近隣に住む住民に勧告し、各地の災害対策組織にいつでも対応できるよう備えます。機龍フィアは、しらさぎで輸送後、浅間山で待機。遠距離からのゴジラの熱線を防ぐため、各方向から改良を重ねた量産型のスーパーX2のファイヤーミラーで防御。ゴジラの接近、及び熱線発射のタイミングは、機龍フィアのDNAコンピュータの信号と椎堂ツムグが教えてくれます。」
「波川司令。G細胞完全適応者をこのままゴジラと戦わせ続けるおつもりなのですか?」
体格からしても内勤が主な重役が席を立って波川に厳しい口調で言った。
G細胞と完全融合した唯一の存在である椎堂ツムグは、発見された時、そしてこの40年間もの長い研究機関の研究でゴジラの精神に流され最悪の人類の敵に回る可能性を秘めていることがずっと語られて
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