第四話 海の逃亡戦!
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べてがかかっている。
そしてゴードンは、決断した。
「全速力で海へ潜れ! 海底付近までだ。」
「艦長!? 何をするつもりですか? まさか使徒とゴジラを相手に…。」
「少し違うな。」
「はい?」
「エンジン全開! 潜水モードへ移行!」
「海へ突入します! 総員、衝撃に備えよ!」
ゴードンと副艦長のやり取りが行われている間に、テキパキと優秀な船員達が轟天号を操作し、轟天号はエンジンをフル稼働させて全速力で船首のドリル部分から斜めに海へ突入しようとした。
が……。突入態勢に入ろうとした時、異変が起こった。
「艦長! 緊急事態発生! 倉庫のハッチが開いています! 倉庫のモニターで確認できません! カメラ及びマイクが破損しています!」
「なんだと?」
「轟天号の電気系統に異常! かなりの電力が吸い取られています!」
「倉庫のハッチ……、電気をくう? まさか…。おい、客人共はどうした?」
突然起こった異常事態に潜水を中止し、ゴードンは、客室にいるはずのアスカと加持の確認を急がせた。
加持は客室にいたが、別室にいたアスカの姿がない。
やがて外部カメラが倉庫のハッチから飛び出そうとする真紅の人型兵器の姿を映した。
「エヴァンゲリオン弐号機が、飛び出そうとしているようです!」
「クソッ! エヴァンゲリオンは、大量の電力の供給が必要だと資料で見ていたが、まさかあの少女が一人で休止状態エヴァンゲリオンを起動させるなんて…! この状況であの人型兵器に何ができるというんだ!」
副艦長がアスカの暴挙に怒り、大声で叫んだ。船員達も口には出さないが、アスカの行いに副艦長に同意して怒った。
ゴードンもこの事態に面倒だと言う風に頭を片手でガリガリとかいた。
一方、轟天号の船員達にメッチャ怒られているとも知らず…、いや全然頭にないアスカは、起動させた弐号機で無理やりこじ開けた倉庫のハッチの端に手をかけた状態で膠着していた。
「うう…、なんて速度なのよ。倉庫にあったこの艦のワイヤーで繋いだから海の底に落ちるないようにしたけど、この速度で出たら宙づりで風で煽られてブラブラ浮いた状態になるだけじゃないのよ!」
ゴードンを見返してやろうというアスカの思いが、身勝手極まりないこの非常事態を生んだのだが頭に完全に血が上ってしまっているアスカには状況を理解することができなかった。
彼女は、轟天号から颯爽と弐号機で飛び出し、真下にいる使徒とゴジラを仕留めてからすぐに艦に戻りゴードンにエヴァが使い物にならない玩具じゃないことを証明しようとしたのだ。そうすればネルフの威厳も戻り、ネルフに権限があった頃みたいに彼女がエースとしてちやほやされていた頃に戻れると、簡単に考えていた。考えてしまった。
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