第三話 使徒の反撃!
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冬月が黄昏ながら独り言を呟いていた。
「はあ……、こんなことになるなら、ゲンドウに協力などしなかったのだがな…。生きているうちにまたあの悪夢に遭遇する羽目になるとは、フッ…、これが人類最大の大罪を犯した者達への罰なのだろうな。ゴジラは、核爆弾という罪から生まれた。セカンドインパクトで消滅した南極に眠っていたはずのゴジラは、死なず、15年ぶりの使徒の出現に呼応するかのように第三新東京に現れ、使徒を殺し、エヴァを破壊しようとした。ゴジラは、セカンドインパクトの真実を知っているというのか? 南極のLCLを取り込みその記憶を垣間見たとしたら……。そういうことならば、ゴジラの行動も説明が付く。ゲンドウの奴はまだユイ君のことを諦めていないようだが、最強最悪の怪獣王を相手に何ができる? いい加減、現実を見るべきなのに、奴ときたら…。ゴジラが生きているともっと早く分かっていたらユイ君もE計画を発案せず、地球防衛軍の科学者として活躍していたかもしれんな。はあ…、すべては後の祭り。ユイ君…、君は初号機の中で見ているか? 君らが幼い時に暴れていた怪獣王が更に強く、更に怒りを増して人類補完計画を阻止しようとし、人類を断罪しようとしているのを……。」
冬月は、サキエル襲来時にゴジラが第三新東京に出て以来、ずっとこんな感じだ。
ゲンドウと違いゴジラがもたらした恐怖を骨の髄まで染みつけているため、冬月は、ずっとゴジラの悪夢に苦しめられていた。それは、ゴジラが封印されても、セカンドインパクトで死んだのではと世間に噂が広まった時も変わらない。
セカンドインパクトで南極もろともゴジラも消滅したと、冬月は信じていた。信じたかった。しかし現実は非情である。
よりにもよって自分が協力したゼーレとネルフ、ユイが考えた人類補完計画がゴジラの標的になってしまったのだ。
もう年老いた自分は、先は長くない。しかし生きている間にセカンドインパクトを生き延びて強くなったゴジラの悪夢から脱することはできないと思った。
絶望を通り越して、もうすべてを諦め、何もせず傍観しているだけである。
「あの老人達がいかなる手を尽くしても、ゴジラを止められるはずがない。罪の象徴に勝てるはずがない。」
冬月は、ブツブツと独り言を呟きながらネルフ本部にある自室に帰って行った。
***
ゴジラを追い返した後。地球防衛軍の病室の一室で。
「って、感じで、今回はこんなに早くゴジラを海へ追い返せたわ。」
折り畳み椅子に座った音無がノートパソコンの画面を操作しながら説明した。
「機龍フィアの改良がここまで進んだんだな。」
病室のベットで上体を起こしているのは、尾崎。
シンジの心を治すために無理な精神感応をしてから、意識を失
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