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ゴジラ対エヴァンゲリオン(仮)
第三話  使徒の反撃!
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いるのかを感じ取っていた。
 尾崎に抱きしめられたまま固まっていたシンジは、やがて、嗚咽を漏らしてボロボロと涙を流し始めた。
 尾崎には(というかミュータント全般)、相手の気持ちを感じ取る能力の他に、相手に自分の気持ちを伝える能力もあった。だからシンジは、尾崎の言葉が、気持ちが本物であることを直に感じている。
 孤独な幼少期を送ったシンジが求めていた本気で自分のことを想ってくれる情がものすごい勢いでシンジの中に流れ込んでいた。
「ううぇええ……、ぼぐ…、ごごにいて…いいの?」
「ああ。もちろんだ。」
「う…う、うわあああああああ…。」
 シンジは、尾崎の胸に顔を押し当てて大声を上げて泣いた。
 音無は、二人の様子を温かい目で見守っていた。
 やがてシンジは泣きつかれてまた眠ってしまった。壊れた心が治ったばかりで数日も眠っていて体力が長続きしなかったのだろう。
 シンジの意識が回復し、精神状態も良好であることなどをナースコールで呼んだ担当医にちゃんと伝え、尾崎と音無は、寝ているシンジに挨拶をしてから病室を後にした。
 なお担当医に尾崎は、シンジが目を覚ました時に言ったことも全部伝えている。なのでシンジのためにもしばらくは地球防衛軍で保護することが決まった。地球防衛軍側の諜報部がシンジの経歴を調べたところ、あまりにも巧妙にシンジの精神を他人を渇望するようにされたとしか思えない環境で育ったことが分かり、それが8年前に彼の父親であるゲンドウが赤の他人を金で雇って親戚と偽りシンジを預け、ただの金づるとしてしか扱われない環境で育てさせ、そんな環境だから学校の方でも他人と関わって傷つくのを恐れ、表面上は受け応えはするものの他人との壁を作るため親しい友人もおらず、本心では自分以外の相手を求め続けているという悪循環を作ってしまった。そして彼が14歳になった時、シンジを捨てたゲンドウがエヴァンゲリオン・初号機に乗せるパイロットの“予備”として、手紙とも言えない手紙で呼び出し、エヴァに乗らないのなら帰れと、誰にも必要とされないことを何よりも恐れる彼の心を抉り、重体の綾波レイを脅迫材料にしてついに初号機に乗らなければ存在価値がないと彼に思いこませる条項にに追い込んで乗るのを承諾させていたことが判明した。
 ゴジラの乱入がなければ、何の訓練もしていない普通の中学生のシンジに初号機で使徒サキエルを倒させた後、彼をサードチルドレンとして徴兵させる予定になっていたことも分かり、子を持つ諜報部の者は怒りで顔を真っ赤にしていたという。
 最初は、シンジが回復して日常生活に問題なしと判断されたら地球防衛軍の保護が解除され、彼を普通の中学生に戻す手筈になっていたが、シンジの経歴と保護されるまでに至った経緯が判明した今、いまだに腹の底で何を考えてい
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