酔っ払い、エル・ファシルの英雄に突撃する
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ヤン・ウェンリーは疲れていた。連日のように「エル・ファシル英雄」を称える為の催しに連れまわされていたからである。その日も「エル・ファシルの英雄を囲む官民交流会」なるパーティーに出席させられ聞きたくもないお世辞を何百回も聞かされたところだ。
「早く帰って寝よう」
ヤンはそう呟くと、少佐に昇進して新しく支給された宿舎に入ろうとした。
「すみませんが、ヤン・ウェンリー少佐で間違いないでしょうか?」
不意に声が聞こえたので振り向くと後ろに何やら瓶を持った大男が立っていた。
「どちら様ですか?」
ヤンが不機嫌な声を隠さずにそう言うと大男がいきなり土下座してきた。
唐突な行動にヤンが呆気にとられていると、
「弟を救ってくれてありがとうございました!!!」
大男が深夜にも関わらず近所迷惑な大声でそう言ってきた。
ヤンは訳も分からず慌てるしかなかった。
これが後に自由惑星同盟の英雄である「魔術師ヤン」と、「民主主義の奇跡」「ワイドショー政治の英雄」「最も大衆に近い男」と数々の称号で評される自由惑星同盟議会代議員、グレゴリー・カーメネフのファーストコンタクトであった。
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