第二話 機龍フィア、機能停止!
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どうにかしてG細胞のパワーを抑えられないかと試みる研究が行われているが、G細胞は制御しようとすればするほど、細胞が抵抗し、薬品などを使用した場合抵抗力をつけてより厄介なものに変異したため、危うくバイオハザードが起こりそうなったこともあった。
G細胞を活用する研究を熱心にやっている科学者達が、八方塞がりだと頭を抱えているということが科学者の卵達の間でもっぱら噂になっている。
研究そのものは国家の命令で行われているが、8割ゴジラを完全抹殺する方法を探す、残り2割が有効活用する方法を探すためみたいな割合である。
過去、個人的な目的のためにG細胞を利用し、ビオランテという怪獣を誕生させた科学者の一件もあるので、G細胞を扱うための規制はかなり厳しい。またビオランテのような怪獣を生み出せばゴジラを呼び寄せる要因にもなるからだ。
ともかくG細胞は様々な目的を達成するために毎日研究されているのである。
そしてG細胞の研究に一筋の光をもたらしたと一時期謳われたG細胞完全適応者の椎堂ツムグは、その頃…。
「…火傷、打撲、骨折などは収容された時にはすべて完治していました。ですが、脳へかかった負荷が大きかったらしく、まだ意識が戻っていません。」
青い顔をした医者兼科学者が椎堂ツムグの体の状態を記した書類を挟んだボードを両手で持って、司令部の面々に説明した。
ツムグは、ごっついカプセルの中で眠っている。強化ガラス越しに表情は苦しそうに歪められているのが分かる。
「やはりDNAコンピュータからの信号の逆流が原因なのですね?」
波川が聞くと、担当医は恐らくと頷いた。
「脳は、肉体すべての機能を司るもっとも重要な器官です。昆虫のように脳を持たない生物ならまだしも、椎堂ツムグは、怪獣並の生命力をG細胞から手に入れていますが、一応…“人間”ですからね。人間は、特に脳が多く発達している生物ですから、脳へのダメージは、ゴジラと比較したら遥かに大きくなるのでしょう。あとこれはあくまで推測なのですが、彼の脳の奥に埋め込んだ監視装置と自爆装置がDNAコンピュータからの信号で大きく揺らされた脳を圧迫したという見方もできます。」
「回復の見込みはあるのですか?」
「脳波は、随分と弱っていますが、時間を経るごとに徐々に回復に向かっています。目を覚ますまでそれほど時間はかからないと思います…。意識が戻ればあっという間に元通りになるでしょう。ただの人間なら間違いなく脳死していたでしょう。さすがG細胞と言うべきでしょうか…。しかし今までどんな実験でも気絶すらしなかった椎堂ツムグが意識を失うほどとは…、あの、私ごときが意見をするのもなんですが…、新型メカゴジラは、本当に使えるのですか?」
「……そのことは、技術部
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