第一話 再結成・地球防衛軍
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してもできません。そこでミュータントの特殊能力の一つである精神感応で碇シンジ君の精神を正常に、そして正気に戻るよう働きかけ、彼の心を治療することを考えました。」
「皆さんが忙しいのは、分かっていますが…、ミュータントの皆様はセカンドインパクト後の復興の際にその能力で心神喪失状態の被災者の心を癒すこともあると聞いていますので、どうかお力を貸して抱けませんか? どうかお願いします!」
看護師の一人が悲痛な顔をして頭を下げた。
わざわざM機関に直接依頼して頼み込んできたのだ。よっぽどシンジの容態は危険な状態ということらしい。
動けない初号機の中でゴジラに襲われる体験をしたのだ、14歳足らずの子供が耐えられない方がおかしいぐらいの恐怖であっただろう。怪獣と戦うのがあの第三新東京でのゴジラとの戦いが初陣だったミュータント部隊の尾崎達ですら、ゴジラの迫力と圧倒的な力に恐怖で押し潰されそうであったぐらいだ。だがゴジラを倒すなり(これはほぼ不可能に近いが)追い返すなりしなければそれ以上の犠牲が出てしまうという正義感と使命感が彼らを動かし、ゴジラを追い返した後も次の戦いに備えいつでも動けるようになっているのである。
「俺は構いませんよ。なあ、風間?」
尾崎が風間に話を振ると、風間は、何か考えるように腕組をしていた。
それを見て、尾崎は、風間はこの手のことは不得意な方だということを思い出した。だが風間は負けず嫌いだし、やろうと思えばできる奴だ。現に被災地で心に傷を負った被災者を不器用ながら励ましながら救助し、その被災者の回復を早めたことだってたくさんある。なのだがそのことを風間は知らないし、教えても照れ臭くて心にもないことを口走ってしまうだけだろう。
「命令なら…、従います。」
風間は単調な口調でそう言った。
尾崎、風間と同期のミュータント達は、風間のその不器用さを知ってるため心配そうに風間を見ていた。
そんなこんなで、手が空いてるミュータント達が交代で医療機関に保護されている碇シンジの治療にあたることになった。
尾崎に番が回る前、先にシンジの治療にあたった仲間が、それは酷い状態だったと悲しそうな顔をしたり、本気で泣いたり、同調のために顔を青くして疲れ切った様子でシンジの病状を語っていた。
風間は、残念ながらあまり成果を出せなかったらしく、そのことが悔しいのか終わった後、悔しさを発散するためか訓練でやたら暴れていた。
やがて尾崎が治療にあたる日になり、シンジがいる病室にノックして入った。
シンジは、上体を起こせるベットに背を預けたままどこを見ているのか分からない目をして動く気配を感じさせない。死体かと一瞬間違えそうなるほど生気が感じられなかった。
わずか14年しか生きていない少年がこんな有
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