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ゴジラ対エヴァンゲリオン(仮)
第一話  再結成・地球防衛軍
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周りで人が大騒ぎしている。
 何があったんだ?っと尾崎が首を傾げていると、景色が消えた。
 次に見た光景は、どこかの駅だろうか、最低限の荷物が入ってそうなそれほど大きくない鞄を隣に置いて大声を上げて泣いている幼い子供と、その子供に背を向けて去っていく男の姿だった。
 子供の顔は、シンジの顔立ちに似ていたので、これは、シンジの幼い時の記憶だと分かった。
 そしてまた景色が変わった。
 夕日に照らされた電車の中に尾崎がいる。
 席には、小さい子供が座っている。顔は、陰になって見えない。
「君は…。」
『お母さんがね…。消えちゃったの。』
 小さい子供が尾崎に言った。今にも泣きそうな声で。
『お母さんがカイブツの中で溶けて消えちゃったの。でも生きてるんだって。父さん達が言ってた。』
「お母さん…、カイブツ…、怪物って、もしかしてエヴァンゲリオンのことかい?」
『お母さんと父さんも、毎日イーケイカクで忙しくって、ボクは、いつも一人だったんだ。』
「いーけいかく?」
『ジンルイは、このままじゃダメになるからって、お母さんが一生懸命考えたことなんだって。』
「お母さんは、一体何をしようとしたんだい?」
『ジンルイ……、ホ…カン……。』
 景色が急にテレビのノイズのようにザラザラとかすみ始めた。
「待ってくれ!」
 尾崎が少年に向って手を伸ばした。
 そして世界は、ガラスが砕けるように砕け散った。


「尾崎…、尾崎!」
 尾崎は、ベットの端に顔を押し付けた状態で突っ伏した状態で揺さぶられていた。
「うっ……。シンジ…く…ん。」
 のろのろと顔を上げた尾崎は、彼を心配する医者達の声を無視して、彼がいまだ手を握っているシンジの方を見た。
 シンジは、随分と安らかな顔で静かに眠っている。最初に見た、死体と間違えそうな様子とはまるで別物だ。
「大丈夫かい? あれからもう3時間以上もダイブしていたんだ。次の人に交代して、君は休みなさい。」
「いいえ。もう一度、もう一度! この子の心に入らせてください!」
 がばっと起き上がった尾崎が医者にそう訴えた。
「どういうことだ? いくら君でもこれ以上は…。」
 尾崎がかなり消耗していることを医者は見抜いている。これ以上精神感応させれば危険なことは目に見えている。
「お願いします! あと少し…、あと少しで、シンジ君を…、それと重大な何かに近づけるはずなんだ。」
「重大ななにか? 君は何を見たんだい?」
「それはあとで…。では、もう一度やります。」
 尾崎は、両手でシンジの手を握り意識を集中させた。
「ぐっ!」
 途端、ビクンッと体を跳ねさせた尾崎がシンジの手を握ったまま横に倒れていった。それを傍
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