第一話 再結成・地球防衛軍
[11/18]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
様になっているのを見てしまっては、正義感が強く他人を守ることを優先する尾崎なら見過ごしてはおけない。
尾崎は、シンジが寝かされているベッドの横にある椅子に腰かけ、シンジの細い手を握って目をつむった。
「うぅっ!」
途端に流れ込んでくる壊れてしまったメチャクチャな感情の波が尾崎の脳髄に叩きつけられ、尾崎は思わず呻いた。
感情の放流はすぐに消え、後には、シンジの心の残骸と思われるものが散らばる暗い暗い精神が視えた。
これはもはや肉体は生きていても心が死んでしまっているいっても過言ではない状態である。
しかしそれでも治してやりたい。未来ある子供がこんな惨い最後を迎えていいはずがない。
尾崎は、シンジの心の中を探索した。シンジの生きようとする意志が少しでもあればそれをすくい上げて壊れた心を繋ぎ合わせて治すことができるはずだと信じて。
ちなみに、ここまで人の心の中に深く入り込めるのは、尾崎だけである。
それは、尾崎がミュータントに数百万分の一の確率で生まれる、“カイザー”と呼ばれる超越者であるからだ。
その気になれば世界を支配、あるいは滅ぼせるほどの力を持つのだが、尾崎はそんな特別な存在である自分に慢心することなく、いたって正義感の強い心優しい青年であることを選んでミュータント部隊の一員として人類のために戦い、守ることを誇りとしている。
だからこそシンジという一人の少年のために全力を尽くすのだ。
たった一人を救えなくて、その他大勢の者達を救うことなどできない。尾崎はそう考えている。
心の欠片が散らばる暗い世界を走っていた尾崎や、やがて小さな、本当に小さな光の粒を見つけた。
尾崎はこれがシンジの生きようとする意思だと確信し、ソッと優しく、それに手を伸ばした。
光に手が触れた途端、世界が白く染まった。
尾崎が目を開くと、そこは知らない施設の中だった。
白衣を着た、女性がいる。
顔立ちが、シンジに似ているような気がした。
言葉は聞こえないが、傍にいる同じく白衣を着た男と話し合っている。尾崎の目から見て、二人の仲はとても良く、恐らく恋人か夫婦という関係のようだ。
更に場面が変わる、なんか視点が低い。
そして尾崎は目を見開いた。
そこにあったのは、エヴァンゲリオン・初号機だったのだ。
外見は第三新東京で見たものと違うが、外装を付ければちょうど初号機になるだろう。たぶん尾崎が見ているのはエヴァの中身だと思われる。
なぜこれが初号機だと尾崎が分かったかと言うと、尾崎がシンジを救出するときに初号機に登った時に特殊能力で初号機から無意識に波長というかなんというか、個体を識別する何かを覚えてしまっていたからだ。
なんか初号機(素体)(断定)の
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ