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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
43話:教授
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上になりますし、無視できる話ではございません。ただ、内々に意見交換する場がございましたので甘やかすなと釘はさしましたが」

おれがそう言うと、シュタイエルマルク元帥は嬉しそうな表情をした。この人は軍部の中でも周囲と一線を引く形でキャリアを積んできた。第二次ティアマト会戦で軍部貴族の力が弱まって以降、最前線を支えてきたが、色々と耐えなければならないことも多かったのだろう。俺たちの世代で力を取り戻し、言うべきことを主張できる様になった事を喜んでいる節がある。

「それにしても、伯からは宿題をよくもらうな。面白い宿題だから楽しめるし、丁度10年前の宿題が流れに流れて今の戦況を作っている。こちらの宿題の影響も楽しみにしている」

次世代艦構想に当たっては、元帥に理論構築を依頼したことから予想以上の成果が出たのは事実だ。辺境自警軍の設立と運用にも、もちろん関わってもらうつもりだった。元帥は辺境自警軍の名誉顧問になってもらい、軍との役割分担と治安維持の観点から予測される問題とその解決策を出してもらっている。下級貴族や平民出身のの憲兵隊や捜査機関OBが前向きに転籍をしてくれるのも元帥の影響があっての事だと思っている。
もっとも、元帥は前世で言うと少し学術研究者に近い所がある。理論構築をして実証し、正しい事を確認することに喜びを感じるタイプだ。結婚しなかったこともあるが、退役してものめり込める趣味などないだろうから、いろいろな案件を持ち込んで思考してもらうのも、俺なりの恩返しだと思っている。
すこし雑談をしてから、部屋をあとにする。このあとはシャンタウ星域の惑星ルントシュテットに向かい、RC社の幹部会議だ。資材価格の高止まりを想定した対策を話し合う。門閥貴族の要塞については、そもそも事業計画がすでに破たんしているので、フェザーンから派遣されたルビンスキー氏がなんとかなだめすかして、当初のイゼルローン級からサイズダウンして直系40kmクラスの人工天体にすることで話はついている。さすがに5年以上の工期はかからないと見込んでいるが、辺境の各星系で、バブルのリスクを抑えながらギリギリまで投資する話が議題になるはずだ。冒さなくていいリスクではあるが、予想以上に様々な所に影響が出ているし、あまりに高止まりが過ぎると、叛乱軍の不良債権が減ることにもなるので、この判断となった。こんな状況を作り出した当人どもは、帝国に貢献したつもりになっているらしい。つくづくおめでたい連中だ。

宇宙歴773年 帝国歴464年 10月下旬
フレイア星域 レンテンベルク要塞
辺境自警軍駐屯地 応接室
ハウザー・フォン・シュタイエルマルク

「では。またお話しできるのを楽しみにしております」

リューデリッツ伯はそういうと、教本の手本になるような敬礼をして、私が答礼をすると部屋
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