42話:爵位継承
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
かなり焦っている様子だった。そりゃ次期政府首班と心温まるやりとりが急に始まれば、遮るわけにもいかないし判断に困るだろう。真っ当な反応だ。
「陛下には幼少から親しくして頂きましたが、軍部系貴族や辺境領主とのパイプと誤解される事が無いように、内密にしておりました。ご心配をおかけしました」
俺がそう言うと、うむ。とは返事をするが、まだどう振る舞えばいいのか判断に困っている様だ。そんな状況を見かねたのか、いたずら心をくすぐられたのか......。
「してザイ坊よ。仲間内の呼び名はそちが付けるのが決まり事であったはず。リューデリッツ伯の呼び名は何とする?」
などと言ってきた。さすがに義祖父上のあだ名を本人の前でいうのはなあ。まあ勅命だし仕方ない。
「兄貴、無遠慮に付けるなら『理屈だおれ』だけど、俺を見込んで婿にしてくれたからね。『名文家』あたりで手を打ちたい所だけど......」
すると兄貴も叔父貴も上機嫌で笑い出した。義祖父上もようやく気がほぐれたようだ。名文家か、悪くはないか......。などと呟いている。そんな歓談を短い時間だったが楽しんだ。今回の謁見は、当主交代の事前挨拶の様なものだ。来月から正式に伯爵家の当主になる。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ