暁 〜小説投稿サイト〜
稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
42話:爵位継承
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
立てた方が爵位を譲るのに、自分たちはこのままでいいのか?いずれ譲るものだし、揃って手続きをすればそれはそれで面倒が減るのではないか?という思惑もあり、伯爵家3家が揃って当主交代することになった。
新当主は兄弟なので、お披露目のパーティーも合同で行うことにしている。兄上たちはともかく、俺は30前で将官で伯爵か。改めて考えると、嫌ではないが、自分が望んだレールには乗れず仕舞いのキャリアを歩んでいる。そんなことを考えながら、皇室御用達のソファーの感触を楽しんでいると、先ほどの近衛兵がノックをして部屋に入ってきた。謁見の順番が回ってきたらしい。先導についていくと謁見の間に通された。既に叔父貴と、もう一人、狐顔の中年が入室していた。上座に少し距離を置いて膝をついて控える。別の入り口から、先ぶれが入室し、そのあとで兄貴が入室してきた。

「リューデリッツ伯、ザイトリッツ。久しぶりじゃな。黒真珠の間ではないのだ。楽にして良い」

兄貴は嬉しそうな表情を浮かべながら謁見を始めた。季節のやり取りや手紙のやりとりはしていたが、イゼルローン要塞の視察以来だから公式には10年ぶりになる。

「嬉しいお言葉ありがとうございます。このたびリューデリッツ家の当主をザイトリッツに譲る決断をいたしまして。お忙しいとは存じましたがご報告を兼ねて謁見をお願いした次第です」

「リューデリッツ伯を継ぐザイトリッツでございます。帝国の隆盛の為、さらに励む所存でございます。よろしくお願いいたします」

兄貴と叔父貴だけならもう少し砕けた表現を使えるのだが、狐顔がいるので儀礼を守っておく。誰だよと思っていると、空気を読んでくれてたのか、自己紹介された。

「クラウス・フォン・リヒテンラーデと申します。この場に立ち会える事、光栄に存じます」

誰かと思えば、カストロプ家と並んで、政府系の門閥貴族の2大巨頭のリヒテンラーデ家の次期当主か。あと数年で世代交代されると噂されている派閥の領袖と言う訳だ。自分が高貴な人間だと思う奴ほど、会えて光栄に違いないとか、場にいて当然だと思う物だ。中年の狐顔に会って誰が喜ぶのか問い詰めたいところだが、やめておく。

「陛下、グリンメルスハウゼン子爵は私ともご縁がある中ですのでご列席いただけたこと嬉しく思いますが、リヒテンラーデ殿はいかなる理由でご参加されたのでしょうか?当家とはそこまでお付き合いはございませんし、正式に爵位を継いだわけでもないと認識しておりますが?」

「ザイトリッツは相変わらずじゃのう。言葉を飾らぬ。リヒテンラーデは数年のうちに爵位を継ぐ予定じゃ。その上で、軍部のカナメでもあるそちに将来的に政府を担う者として確認したいことがあるというのでな。同席を許したのだ」

狐顔が出番到来とばかりに話し始めた。

「ご意見を
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ