第二章
[8]前話
「自身が最後の最後までです」
「全力を尽くすことですね」
「そうすれば神は助けて下さいます」
「だから信仰はあってもですね」
「あてにしてはならないのです」
「己の全力を尽くす」
「そうしなければならないのです」
こう青年に話すのだった。
「まずは」
「そうですか、確かに」
「私の言葉の意味がわかりましたね」
「はい」
その通りだとだ、青年はエルキュールに答えた。
「今は」
「それは何よりです、神を信じると共に」
「己の全力を尽くす」
「人はそうしなければならないのです」
「わかりました、では」
「それではですね」
「私もこれからもです」
青年はエルキュールの言葉に目覚めた顔になった、そうして言うのだった。
「全力を尽くして生きていきます」
「ガイアの務めも果たして下さいますね」
「はい、信仰と共に」
エルキュールに熱い声で答えた。
「そうさせて頂きます」
「そうして頂けると私も嬉しいです」
「それでは」
「本来ガイアは仕事がない方がいいです」
悪人を捌く、そうしたことがというのだ。
「ですが世にはどうしても悪人達がいますね」
「裁くべき者達が」
「そうした者達を裁かねば世で悪を行い続けます」
「そして多くの善良な人達が苦しむ」
「ですから」
そうなるからだというのだ。
「私達はです」
「働かねばならないですね」
「罪があるのなら」
自分達の行いにとだ、エルキュールはさらに述べた。
「私が受けますので」
「だからですか」
「貴方達は安心してです」
罪の意識なぞ考えずにというのだ。
「悪人を裁くことだけを考えて下さい」
「左様ですか」
「そうです、これからも」
「神と共にですね」
「全力を尽くして下さい」
「わかりました」
「それではお茶の後は」
今飲んでいるそれの後はというのだ。
「今はガイアのお仕事はありませんね」
「私は」
青年はエルキュールにすぐに答えた。
「そちらは」
「では教会に戻られ」
「そこで、ですね」
「多くの子羊達を導いて下さい」
「そうさせて頂きます」
青年はエルキュールに笑顔で応えた、そうして彼のいる教会に戻り己が出来ることを尽くした、神を信じたうえで。
聖母の神 完
2018・9・24
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