第二章
[8]前話
「そのうえでだ」
「より責任のある立場となり」
「軍何よりも我が国の為に働いてもらいたい」
「私はパイロットですが」
「同時に士官でもあるからな」
士官、この階級にあるからだというのだ。
「一パイロットで終わって欲しくないのだ」
「そうなのですね」
「すぐに返答しなくていい」
中佐はるうに考える時間も与えた。
「しかしだ」
「それでもですか」
「返事は聞かせて欲しい」
それはというのだ。
「是非な」
「では」
「返事は何時でもいい、士官学校への願書を出す期日までにだ」
まさにその日までというのだ。
「待たせてもらう、ではよく考えてくれ」
「わかりました」
るうは中佐にこう答えた、そしてそれからはだった。
戦いデスクワークを続けつつ士官学校のことを考えた、そうしているうちに自分が若し今よりも上の立場ならどうするかを考えていた。
これはこれまでもあったが士官学校の話を聞いて余計にだった、意識する様になってそうしてであった。
士官学校に入ればその上の立場になりそうしたことも出来る、そして十五歳でこれ以上はないということもどうかと思った。
それで中佐に彼から話をされた三週間後に返事をした。
「士官学校に行かせてもらいます」
「そうか、ではな」
「これからですね」
「入試を受けてもらうが」
それはというと。
「幼年学校出身者はほぼ推薦だ」
「だからですか」
「問題なく入られる、後はだ」
「士官学校での教育を受ける」
「四年間な、そうしてだ」
その後でというのだ。
「上級士官への道が開ける」
「そうなりますね」
「そしてそこからな」
「大学もですか」
「菅賀ればいい、だがまずはな」
「士官学校に行くことですね」
「君は行くべきだ、そして教育を受け」
そのうえでというのだ。
「より国家の為に働いてくれ」
「わかりました」
るうも応えた、そうしてだった。
るうは士官学校の入試を受け合格し士官学校での四年の教育を受けた。そして卒業してからも戦い。
その中で多くの功績を挙げていった、やがて地面連邦との戦いは地下王国の仲裁が入り講和そして和解に至ったがるうはそのピンク色の機体と共に敵に知られていた。戦争が終わった彼女は軍で働き続けたが大将にまでなった。そうして国家の為に働き続けたのだが士官学校に行くにはこうした一幕があったのだ。
上官の勧め 完
2018・9・24
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