純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 8
[1/7]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
vol.10 【覚醒の間に見る夢】
別に、子供ってヤツは、必ず相思相愛の男女から生まれてくるものだ!
とは思ってなかったよ。
なんせ、私が私を自覚した瞬間が既にアレだったし。
両親とされる男女に愛だの恋だの、良心的な何かがあろうとなかろうと、やるコトさえやってしまえばそれなりに高い確率で孕んじまうものだって、クロスツェルと会うまでに、この目で直接、嫌ってほど見てきたしな。
胸糞悪ぃ話だけど、それが現実だ。
だからこそ、母さんと父さんの関係とか、アリアが生まれるまでの経緯を知っても、そんなに驚きはしなかった。
はっきり言って、血肉を分けた実の父親とか母親が実在してたこととか、母親が分裂してたことのほうが、よっぽどビックリだったわ。
しかも、母親の片方は猫耳被ってる幼女って!
どんなだよ?? この時点でツッコミどころ満載すぎるだろ??
つってもまあ、二人の存在が嬉しくなかったワケじゃない。
悪意に満ちた汚らしい世界だからこそ、我が子を大切そうに抱えて微笑む母親の姿は綺麗に見えたし、遠目にも温かく感じてたんだ。そういう希少な環境で育てられてる子供をうらやましく思わなかった、と言えば嘘になる。
二人の問題は、二人で解決してもらうにしても、だ。
ちょっとくらい、夢見たって良いじゃん?
一般的ではないにしろ、母親とか父親とか、家族とか家庭とか。
そういうのが、私にもあったんだって。
あっても許されるんだって、思いたいじゃん?
複雑な心境ではあったけど、二人が生きててくれて良かったって。
ソコだけは、普通に思ったよ。
でもさ。
でもさあ。
まさか、自分の『父親』の定義が総崩れするとは思わんかったわ。
なあ。
『父親』って、男だよな?
『父』って、男に使う言葉だよな?
いや、『父親代わり』なら女が使っても違和感はないし、理解もできる。
ぶっちゃけ、女同士や男同士で結婚して、養子を受け入れて、母親役とか父親役を分担しても良いとは思う。その辺はまったく問題ない。
当事者全員が納得した上で、最後までそれを守る覚悟があるんならな。
けど、アイツは実の肉親なんだよ。
紙切れに名前を連ねたとか、そういうのじゃなくて、『血縁』。
間違いなく血が繋がってる、正真正銘本物の、実の父親。
なのに、男じゃない。
母さんに私を産ませておいて、男じゃない。
かと言って、女でもない。
精神的などうこうじゃなく。
体が。肉体が。身体的特徴が。生殖機能が。
男でも女でもなく、男にも女にもなれる親。
なんなんだ?
どういう位置付けになるんだ、ア
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ