純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 8
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「はい?」
「解りにくいにもほどがある気遣いを、どうもありがとう」
私の心情を汲んで用意してくれた場面にしては、若干悪趣味だがな。
「「どういたしまして」」
同時に返事をした二人は、ベッドの周りに散らかった無数の衣服を素早く回収して飲食物を出してくれた後、それぞれの仕事へ戻っていった。
クロスツェルが用意した昼飯には、人間の習性を捨て切れてなかった頃のアリアが好んで食べてた百合根の煮物が入ってて、芋みたいにほくほくした食感と、ほんのり感じる甘味で、ちょっとだけ懐かしい気分になった。
ま、私自身には『食べてる記憶を見た』程度の思い入れしかないけど。
当時は調味料が少なくて、水煮くらいしか作れなかったんだよな。
でも、香り良い葉っぱで包んで炙り焼きにした百合根は良い感じだった。
火傷しそうになりつつ熱い熱い言いながら百合根を食べるアリアの姿は、絵面的に結構間抜けで笑えるぞ。
「な? バカ親父」
コッチのほうは、全然笑えないがな。
「お前、いつまでそうしてるつもりだよ?」
「…………………………………………。」
頭に赤いリボンを巻いてる、現代風のおしゃれ(?)な幼児。
白いシャツに青いズボン、赤茶色のベストを着て茶色の皮靴を履く奴は。
プリシラが奴宛てにお願いと称した外向けの用事を持ってくるまでの間、ひたすら無言でカカシに徹していた。
もしも誰かに祈って願いが叶うなら。
私の『家族』が、これ以上壊れたりしませんように。
わりとマジで、お願いします……。
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