純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 8
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ましたが、この場では横に置いておきましょう。なんなりとお尋ねくださいませ」
「んじゃ、遠慮無く。あんたさぁ……男でもあり女でもある実の父親が、気付かない内に幼児化してた挙句、見知らない部屋で同じ顔の女二人に着せ替えされてる場面を見ちまったら、どんな反応する? 私さ、一般民と言える人間の生活とは殆ど縁が無かったもんで、こんな時、怒れば良いのか、呆れれば良いのか、悲しめば良いのか、見なかった振りをして寝直せば良いのか……適切な判断を下せそうにないんだわ……」
男女どっちにも寄せられる身体機能を持ってる時点で其処らの人間とは比べようが無いのでは……なんて、そこんトコロは言われなくてもよぉおーく解ってるから、小声で突っ込まないでくれ。服を持ってるほうの人。
「そうですわねぇ。私も、実の両親とは幼少の頃から離れて生活しておりますし、父に至っては、私を前にする度に何故かいつも両手で顔を覆って俯いていましたので、顔もよく覚えておりませんの。ですので、一般的な感覚の答えとは多少異なるかも知れませんが……私の場合でしたら、まずは右手で拳を握ります」
「うんうん」
「次いで、左手のひらを腹部に当て、唇を「は」の形に開いて固定」
「うんう…… ぅん?」
「目線と右腕を真っ直ぐ父へ向け、伸ばした人差し指を地面と平行の位置で留めましたら、思いっ切り空気を吸い込みます。それから、小刻み且つ断続的に勢いを付けてっ」
「うん、分かった。尋いといてなんだけど、すまん。私には真似できそうにない。」
顔も満足に思い出せない父親の玩具っぷりを笑い飛ばすとか。
コイツ、何気にヒドイ。
「笑い者を笑わなくてどうするんですの?」
「いや、そんな、心底意味が解らないって顔で首を傾げられてもな!?」
「二十代の幕を引こうとしている年齢の子供を持ちながら、実の子ほどの女性二人に着せ替え人形の扱いを受け、頭に可愛らしいリボンを巻き付けている中身中年の見せ掛け少年なんて、笑ってあげる以外に何の価値が?」
「それ一応、私の親だから! 笑い者にしてる自覚があるなら止めたげて! なんか今この瞬間にもぶっ倒れそうなくらい最悪な顔色で震えてるから、即刻止めたげて!!」
「お断りします。」
「まさかの即行却下!?」
「それはそれ。これはこれ。他人の親は他人の親。レゾにゃんには、もっともっと可愛らしくなっていただかなくては困ります。主に、私の気晴らしと目の保養となる為に!!」
「レゾにゃ……あんた何言ってんの!?」
「冗談を言っています」
「冗談は実行したらあかーんッ!!」
疲れる! コイツ、すっごい疲れる!
クロスツェルが露骨に避けたがるワケだ……
「ですが、安心致しました」
「へ?」
「聴けば、ロザリア様
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