暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 8
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で生きてきたんだよ。自分にワケ解らん力が備わってたって、神だの悪魔だのは荒唐無稽なオハナシに出て来る架空生物って認識でしかなかったんだ。人間的な物の考え方に(かたよ)るのはどうしようもないだろ?
 存在するかどうかはともかく、実の母親は女で、実の父親は男。
 アリアも私も、それ自体は疑ってなかったんだ。
 疑いようがなかった、のに。

 夢は夢でも、こんな悪夢は要らんかったな。

 「自覚してないだけで、実は私にも性別が無いとか言わんだろうな」
 「……いや。お前は多分、マリアの無自覚な意志が素になって形を得た存在だ。お前が受け継いだ俺の力をお前に戻して、お前の元来の性質で極限まで高めれば可能だろうが、基本的には女のままだと思うぞ」
 元来の性質? 基本的には? だと思う?
 なんじゃそりゃ。
 「めっちゃあやふやじゃんか」
 「お前に関しては不確定要素が多いんだ。俺にも断言はできない」
 「アルフリードとかいう奴を産ませようとしてたクセに?」
 「力の譲渡方法なら、マリアとお前の関係が前例になったからな。だが、言ってしまえばそれだけしか判ってない」
 「ふぅーん?」
 何十年もアリアと旅してたんだから、調べようと思えばいつでも調べられただろうに。コイツ、母さんに関する事以外は本当にどうでも良かったんだな…………
 って……
 「何処だ、ココ」
 急浮上した意識に合わせて少しずつ戻ってきた体の感覚。どうやら、首から下がふかふかで温かい物に包まれてるらしいが……なんだこれ? 布団?
 どうして布団で寝てるんだ、私。
 「アルスエルナの中央教会。次期大司教の第一補佐が使っている寝室だ」
 「は?」
 中央教会? って、アルスエルナの王都?
 だいしきょーの補佐って…………
 「はぁっ!? ちょい待て、嘘だろ!?」
 くわっと開いた視界に飛び込む真っ白な天井に、指先で軽く弾く度にしゃらん……と涼やかな音が鳴りそうなガラス製のシャンデリア。仰向けのまま顔だけで周囲を見渡せば、村民や町人級の家ではありえない広さの明るい室内に、できればどんなに小さな傷でも付けたくないお高めな家具。勢い任せで起こした上半身に弾かれて二つ折りになった軽い布団は、毎日洗って干してんじゃないのかってくらいさらさらで真っ白で清潔。

 最悪だ。抱える頭が一つじゃ足りない。

 「っのバカ親父! 何考えてんだお前は!」
 「問題があったか?」
 「あったか? じゃねぇだろ! このたわけ! すっとこどっこい!! お前、人間世界の現状を忘れてんじゃないだろうな!?」
 私達が創造神アリアの再臨を図った所為で、人間世界の宗教方面は一触即発の一歩手前まで来てる。べゼドラ達がどうにか止めてくれてたみたいだけど、私達の契約変更時に降った光が宗
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