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緑の楽園
第二章
第24話 矛盾
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にバレて、今後の拳銃の使いどころは難しくなったでしょう。上からかなり怒られるのは間違いなさそうです」

 国王は少し呆れたような顔をした。

「なぜ殺されかけた相手の心配をしているのだ……。面白いな、お前は」
「あはは、それもそうですね」
「お前は自分の心配と余の心配をしておれ」

 余の心配って、また次も守ってくれということだろうか。
 もう撃たれるのはこりごりだが。

 とりあえず疑問点は解消したので、お互い寝ることにした。



「ふむ。ちょっと目が冴えてしまったな」
「すみません。一度起きてしまうと寝直すのは大変ですよね」

 朝の二度寝は楽なのに、と思う。

「少し、余の質問に付き合ってもらうか」
「ん? 何ですか」
「リクはずっと昔の日本人だということだったよな」
「はい、そうですね」
「首都で調査をしている目的というのは、昔に帰る手段を探すためということなのか?」

 ぎく……。

「はい。そういうことになります」
「それがわかったら、帰ってしまうのか?」
「はい。帰ることになります」
「いやだと言ったら?」
「……」

 返答に困っていると、国王は体勢を変えた。
 体をこちらに向け、組んでいた右腕を一度外し、今度は手を握るように組み替えた。
 空いている左手は、俺の胸の上に乗せている。
 ……うー、近い。あまりくっつかないでくれ。
 これでは抱き付かれているのとあまり変わらない。

「陛下、ちょっと密着しすぎです。『いやだと言われても帰ります』って言いづらいじゃないですか」
「言わなければいいではないか」
「いやいやいや」

 むぅ。

「お前、この時代に来てから半年経つのだったな? この半年間はどうだったのだ?」
「そりゃもう。充実していました。もしかしたら、俺の時代で過ごした二十二年間よりも中身が濃かったかもしれません」

 これは素直な感想だ。
 この半年間は本当に濃かった。こんなに物事を勉強したことは、今までなかったと思う。

「それでも帰るのか」
「多分、それでも帰ります」
「そうか。そうだよな……」
「もー、そんな反応しないでくださいよ」

 あー、なるほど。
 素性を明かしたときに感じていた謎の罪悪感の正体は、これだったのだ。

 「過去から来ました」というのは「いずれ帰るんですよ」ということでもある。
 自分で言うのも何だが、この国王は俺のことをかなり気に入っているように思う。気に入っているペットは手放したくないという気持ちはわかる。

 だが帰り方が判明すれば、帰らないというわけにはいかない。俺はこの時代の人間ではない。
 うーむ……。
 もちろんわざと嫌われてスムーズに帰るという手もあるのだが、
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