143部分:第十話 心の波その一
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素晴しいことはない」
「ですが今は」
「そうだ。ミュンヘンは間違っている」
これは街を指し示した言葉ではない。そこにいる人々を指し示した言葉だ。政府やマスコミもその範疇に入れてのことである。
「ワーグナーをそうして糾弾するのはだ」
「しかし政府もマスコミもです」
「わかっている」
何故彼等がワーグナーを責めるのかもだ。王はわかっていた。
「しかしそれでもだ」
「陛下はあくまで」
「そうする。私はな」
こんな話をしていた。夜のことだった。王は今はタケシスと共にいた。そしてその夜が明けた時にだ。朝食の時にこう母に告げられた。
「近頃ですが」
「舞台のことですね」
「随分と入れあげているようですね」
向かい側に座りパンを食べている我が子にこう問うのだった。
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