06.そうだ、刑務所に逝こう。
第24話
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お疲れの様ですし、少し休まれては………」
「否、大丈夫。其れより、君、幹部探し、しっかりと為てくれているかい?」
「為てますよ。一応……」
此の組織、黑猫には幹部が三人居る予定。だが、現在は"二人"しかいない。と言うか、組織が出来てからもう一つの幹部の座がずっと空いている。
「御客様の方は相変わらず元気かい?」
「首領、もう御客様では無く、立派な構成員ですよ。矢張り休んだ方が………」
「否、だから大丈夫だって。心配性だねぇ」
"でも、随分と不思議な、長い夢を見ていた気がする。ぼんやりとしか思い出せないが。"
「幹部は涙さんか宙さんどちらかでも良い気がするのですが………」
「否、何か、もっとピッタリな人が居た気がするんだ」
「………僕、今日不思議な夢を見たのですが、其処には幹部がしっかりと三人居たんですよね…………予知夢だと良いんですがね」
「あ、君もその夢を見たのかい?」
「首領もですか? 妙に長くて、壮大な夢だった気がするんですよね……」
「内容は分かるかい?」
「大体はっきりと覚えているんですけど、後半の方が曖昧で」
「へぇ………」
私の言うぼんやりとは、所々に靄が掛かっている様になっている事。如何為ても、其の幹部の顔がぼんやりとしか見えず、後半になると視界の全てに靄が掛かった様になって行くのだ。
まるで、大事な場面を隠しているかの様に。
「それじゃあ、気分転換にでも出掛けませんか? 涙さんや宙さんも同じ夢を見て、悩んでいるそうなので、外に行こうと思っていたんです」
「……只寝るだけよりはマシだね。私も一緒に行こう」
その夢を振り払うように強く首を振ってから、私は椅子から立ち上がった。
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